日曜の夜、『太平記』の鎌倉炎上の回で北条一族討死のシーンに感動したあと、『天地人』のOPでChange!とか出て一気に気分がダダ下がってしまいました。こんにちは、侘助です。初めてOP習字見ちゃった。何なんだChangeって・・・その前に脚本・演出・役者総Changeしてくれよ。なんでまさみたんドレス着てんの?何で信長と怪しい関係なの?なんでなんで??お船はなんで兼続がいいの?スクールウォーズ信綱のが断然頼りがいあるじゃん、私だったら迷わず信綱よ。なんで?つーかホントにさぁ・・みんな真面目に『御館の乱』やって頂戴よ!!もう突っ込むところが多すぎて大笑いするしかないぜ
ま、それはともかく。お待たせいたしましたいよいよ『炎立つ』第1部完の感想です。DVD見てからだいぶ経ってるのでちょっと忘れがちですが日が経っても『炎立つ』のOPはしっかり頭に残っております。ラブコメ大河じゃ到底出来ない、ショッキングシーン満載のドラマティック大河、世界の渡辺謙の名演を見よ!では参ります。
第12話 -厨川落城-
経清が発案した「衣川撤退&衣川に頼義軍おびき寄せよう」作戦は、貞任の妻流麗の密告であえなく失敗となり、貞任、経清軍は安倍の本陣が置かれた厨川の柵まで撤退します。厨川の柵は峻険な崖の上に建った難攻不落の要害です。「柵」と聞いて、最初牧場の囲いのようなのを想像しちゃったんですが、ちょっと調べてみるとどうやら今で言う「山城」みたいなもののよう。俄然興味が湧いてきました。柵か・・・要チェックだ。そんなわけで天然の要害はいかに戦力の増した頼義・清原軍でも簡単には落せません。なかなか落すことができず、頼義もやきもき、元経清の家臣で義家の家臣になった瀬田剛介に当り散らしちゃったりします。キレられた剛介はあたふたしながらも「敵は篭城に際して、飲み水を貯水場から補給していて川から水を汲んできてはいません。貯めてある水なら限度があるはず」と気付いた事を言います。それを聞いた義家はそこでハタと妙案を思いつくのでした。
数日後、頼義軍は付近の民家を壊し、木材を集め、それを厨川の柵を囲む堀に大量に投げ込みます。そしてその木に火を付けたのです。敵方は「火攻め」を仕掛けてきた!この火が柵内の建物に燃え移っては一大事です。なんとかその前に消し止めたいのですが、貯水場の水を放てば飲み水がなくなり籠城が出来なくなります。貞任は悩んだ末、水を放つ事にしたのですが、これが大失敗。頼義軍は堀の幅より長い板を掘に掛け、その上から燃えやすい木々をばら撒いて火をつけていたので、堀に水が流れても火はその上で燃えつづけているのです。なんとまぁ頭のいい奴らです。これで安倍側は飲み水も減り、火が柵内に燃え移り、逆に追い詰められることになってしまいました。
さて、安倍側が窮地に陥りはじめる中、金売り吉次たち一行は娘の沙羅の占いでいち早く安倍の敗北を予見していました。なんとしてでも安倍の血を絶やしてはならんと結有と清丸を連れ出そうと試みるも結有は頑として受け付けません。そうこうしているうちに嫗戸(うばと)ノ柵を守備していた安倍兄弟の5男、重任が手勢を引き連れ柵より討って出ていく事態になってしまいました。わずか1500の兵で頼義・清原軍と戦う重任、勝ち目はほとんどありません。しかし今ここで助けに行けば更に敵の思う壺・・・・貞任は重任を見殺しにすることを口にしますが、叔父の良照(塩見三省)らは大反対。「親兄弟を見捨てぬ事が安倍の誇りではないか」と。一族家臣の間に不穏なムードが漂い、戦況はおろかその結束までも崩れようとしています。そんな現状を見て、経清は自分が重任を助けに行くことを決断します。出陣を前に結有を呼び「何かあれば、清丸を連れて逃げろ」と言い残して柵より討って出ます。
経清が柵を出て重任の救援に向かったことを知った貞任は怒ります。
「馬鹿め!何故行かせた!重任1人ならば冥土で俺が詫びれば済むが、経清は安倍の婿ぞ。」
友の窮地を見過ごすことは出来ないと思った貞任はついに自らも討って出るのでした。
「人には外してはならぬ道がある。俺も経清と共に戦う!」
もはや水の補給も断たれ、籠城戦はどのみち長くはもちません。この上は一族総出で決死の突撃を仕掛ける他ないと覚悟したのでしょう。柵を出て行く貞任の顔はしかし、それほどに悲壮ではなかったと記憶しています。もともと、猪突猛進の暴れ馬だった貞任。ホントは籠城戦なんてかったるい事はしたくなかったのでしょう。しかし安倍の棟梁となった以上、一族を守るため我慢することも多かったのでは?死地に赴く貞任は安倍の棟梁ではなく昔の「暴れ馬」になっていたような気がします。戦況は絶望的なのに、それでもどこか清清しさを感じるのは、戦というものに「美」を求めようとするその当時の男達の生き様が強く映し出されていたからかもしれません。
さて、友を助けるため出陣した貞任を見て、経清は開口一番「阿呆が!」と怒鳴ります。でもすぐに「お主の死、俺が見届けよう!」と言うのです。互いに慰めの言葉も湿っぽい別れの挨拶もありません。「俺は死ぬ」「なら見届けよう」、心通わせた「強敵(とも)」にはもうこれだけのやり取りで十分なんですね。経清と貞任、2人の目は輝いています。戦う男にとって戦場で死ぬ事は「最高の誉れ」、だから悲しくなんてないんです。いいですね、こういう描写。あぁぁ『花の慶次』読みたくなってきた
2人の猛将率いる安倍軍は一勢に頼義・清原軍に襲い掛かります。しかしやはり多勢に無勢。次第に兵の数も少なくなってきます。乱戦の最中、経清の従者、稲垣五郎扮する小田忠平も負傷して落馬します。馬から降りて助けようとする経清を「おかまいくださいますな」と止め、脇差で首を掻っ切って死ぬシーンには涙です
稲垣五郎はホント脇役って感じで台詞も少なく、演技もまだぎこちなくパッとしませんでしたが、こんな最期が用意してあったとは・・・・演技の未熟さも影の薄さもこの健気な最期で全部帳消しです。ジャニタレも要は使い所を間違えなきゃ良いってことですな。
そして貞任にもまた、その最期の時が迫ってまいりました。壮絶な戦闘を繰り返すものの劣勢では抗いがたく、哀れ敵の矢衾に晒されついに命を落とすのでした。
「経清・・・先に逝くぞ。」
貞任が死んだ事を知らず、別の場所で経清は奮戦していました。しかしこちらも奮戦空しく、敵兵に囲まれてしまいます。源義家は、経清に対し「死に場所を用意致す」と提案し、その言葉に納得した経清は矛を収め、ついに敵の手に捕えられる事になりました。
武士の情けをかけ、切腹の場を設けようとする義家に対し、父頼義は「経清は類稀なる名将だから、命を助けて源氏の家臣になるよう説得する」と言います。「いくらなんでもそりゃ無理ですよ!」と義家、「まぁまぁワシに任せとけって
」と頼義。意外と懐の深い頼義です。衆目の前で経清に向かい、「今までのわだかまりを捨て、ワシの家来にならぬか?」と持ちかける頼義。経清はしかし吐き捨てます。
「豚め!」
「何が武門の棟梁だ!うぬの考えていることはただの欲得のみ。ひたすら朝廷にひざまずく安倍に対して和議をぶち壊し戦を起こした張本人じゃ!何千という此度の犠牲者は、全てうぬの欲得の血祭りに晒されたのだ!兵どもの血をすするケダモノ、食い意地の張った豚め!」
「豚の家来にはならぬ!早く首を刎ねられよ!!」
さすが後年、「牡丹じゃなくて豚よ!」の名台詞を生み出した中島脚本だけあります。「豚」を見事に台詞の中で生かしています。皆さんも嫌な上司でもいたら言ってあげてください、「豚の部下にはならん!」と。(もちろん心の中でだけですよ。実際言ったら流血沙汰ですからね
)
さすがの頼義も経清の罵倒にプッツン切れちゃいます。「なら殺してやるわ!」とボロッボロに刃こぼれした刀を更にこれでもかとばかりに岩に叩きつけ、「この刀で首を斬れ!」とあろうことか経清の元家臣、瀬田剛介に手渡します。もうこれは「首切り」じゃなく「首引き」です。ボロボロの刀ではスパンッと首を落とせません。鋸(のこぎり)のように刀を引きながらしか首は斬れんのです。
なんという惨さ・・・義家もたまりかねて止めようとします。でも頼義は聞きません。刀を渡された剛介は膝を震わし、泣きださんばかりです。そんな剛介に経清は「お前に斬られるなら本望じゃ。落ち着いてしっかり引いてくれ」と優しく声を掛けます。意を決して元主人の首に刀を当てる剛介。そのままゆっくりと刀を引いていきます。少しずつ首が斬られていくのを感じつつ、血を吐きながら経清は「引けぇぇ!引けぇぇ!」と剛介を叱咤。あまりの残酷さに「経清殿、許してくれ」と顔を背ける義家、そして眉一つ動かさず処刑を見つめる頼義。
一方、柵の中にもいよいよ清原軍が侵入し、自害するもの、逃げる者、敵味方入り乱れ大混乱。その中で結有は清丸とはぐれ、探し回る内に敵将の清原武貞(名高達男)に捕らえられてしまいます。やがて火の手が上がり、柵内が炎に包まれていきます。赤々と燃える火は遠くからでも見て取れるほど。それはまぎれもなく難攻不落の要塞、厨川が落城したことを示すものでした。柵から離れた場所でその火を見つめるのは金売り吉次(西村晃)と乙那。吉次の腕の中にはいなくなったと思われていた清丸がいます。吉次は清丸に言います。
「清丸、あの火を忘れるでないぞ。安倍は滅びてもお前は生き延びて、また新しい火をおこすのだ。藤原と安倍と我ら一族をあだない、更に大きな炎を燃やすのじゃ!」
こうして、10年にわたる安倍氏と国府との戦い、「前九年の役」は安倍一族の滅亡をもって幕を閉じました。しかし炎はまだ消えてはいません。藤原と安倍を繋ぐ小さな少年の中にその火種は確かに受け継がれているのです。





というわけで第1部ついに完結いたしました。
個人的にはこの3部構成というドラマの作り方はなかなか良いのではと思います。1年という長い期間放送する大河ドラマは途中どうしても「中だるみ」の時期を迎え、視聴者も離れていく傾向があります。話を一端区切る事で次から新しい気持ちで、ということが出来ますし後々DVDなど借りるときも何話分かで区切っていると借りやすいです。1人の人物で1年もたないのなら2人、3人主人公でも良いんじゃないでしょうかね。それだと大河の題材の幅も増えるんじゃないかしら?
さて、次からは第2部となり、主役が交代します。渡辺謙氏とはしばしのお別れです。経清の嫡男、藤原と安倍の血を引く清丸、後の藤原清衡を演ずるは村上弘明氏です。時代劇界を代表する人気俳優、私も大好きな役者さんです。キャストも変わり、奥六郡も新たな展開を迎えることになります。どうぞご期待下さい。
追記
続きで第1部の感想とか色々書きました。長くなったっちゃったんでお暇な方のみお付き合い下さい。
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