« 2009年3月 | トップページ | 2009年5月 »

2009年4月

「天地人」を考える

正直、どうするつもりなんだろう?このまま11月までムリクリ突っ走るのだろうか・・・

本音を言えば明日にでも打ち切って欲しい」のですよ。脚本がどうとか、演出がどうとか、出演者がどうとか、色々ひっくるめてもとにかく「1つも誉めるところが無い」。なかなか無いですよ、1つも誉められないドラマって。逆にそれがすごいからもうこの際、全部吹っ切って「突っ込むためだけに見る」のもいいのかもしれない。これだけツッコミ甲斐のあるドラマもそんなにないからそれはそれで楽しいのかもしれない。でもなぁ・・・それでも11月までツッコミ続けるほどこのドラマを「愛して」ない。そこに「愛」はない・・・。

そりゃ私だって『天地人』の脚本が小松江里子氏、そして主演が妻夫木聡さんと聞いて、『風林火山』のような骨太大河にはならないだろうとは最初からわかってましたよ。『功名が辻』とか『利家とまつ』のようなぬるま湯テイストだろうと諦めていましたよ。『篤姫』で視聴率とった以上、二匹目のドジョウ狙いなのは重々承知の上でしたよ。でもね・・・

「歴史ドラマ以前に普通のドラマとしても成立っていない」

というのは想定の範囲外ですぞ!

最近、我が町の歴史人物を大河に、てことで観光誘致をしようとしている自治体が増えてきているみたいですが、今回の『天地人』もそれっぽいですね。いや、町おこししたい気持ちはわかるんですが蓋を開けて出来た作品がこれじゃぁねぇ・・・・ちょっと冷静に考えた方がいいんじゃないかしら?保科正之を大河に、てニュースが前流れてたけど保科正之じゃぁぶっちゃけ正月の2時間ドラマがいいとこじゃない?1年引っ張る地力はないよ、無理だと思う。そもそも素晴らしい原作とか脚本があってのドラマ化ならわかるけど、まず誘致ありきでっていうのは順序が違うんでないかい?

新潟とか米沢の人とかどう思ってるのだろう?この出来栄えで良いのかしら?それとも観光誘致が出来ただけでもう満足なのかしら?

とりあえずN〇Kのスタッフは直江兼続の墓前に土下座しにいったほうがいいと思います。ホントに・・・・どうすんだろう・・・gawk

| | コメント (0) | トラックバック (1)

大河ドラマ「炎立つ」を観る -第2部 冥き稲妻-

春うらら、京都の桜は先週初めに満開になり、先週末にあっというまに散ってしまいました。皆様の住んでいるところはいかがでしょうか。暖かくなり、外に出るのが楽しくなりました。私は最近、休みの日に琵琶湖周辺をサイクリングするのが楽しいですapple

さてさて、ご無沙汰してました『炎立つ』、今週からいよいよ第2部鑑賞に突入いたしました。

第1部にて安倍一族は国司源頼義に敗れ、滅亡します。渡辺謙扮する藤原経清が鋸引きという非業の死を遂げたのは覚えておりますでしょうか。第2部はその経清の遺児である清丸、後の藤原清衡が父の意志を引き継ぎ、奥六郡および東北一帯を手にするまでを描く波瀾万丈の物語です。

主役を務めるのは村上弘明さん。何を隠そう侘助はこの方の大ファンでございます。中学生の時、テレビ朝日系列で放送した『新撰組血風録』で初めて村上さんを知りました。この時彼が演じた土方歳三がとってもハマッていて、私の中では土方歳三といえば山本耕史さんじゃなく、村上弘明さんなのです。以来、時には他の俳優さんに目移りする事もありましたが、巡り巡って結局最後には『救心』のCMを愛でているという・・・ま、それくらい大好きなのですheart04ちなみに「救心」の前CMキャラクターは大河ドラマ『徳川家康』で主演された滝田栄さんです。この方も素敵な役者さんですよね。お二人ともとてもエレガントです。

「品のある佇まい」、これが村上さんの持ち味だと思います。渡辺謙さんがエネルギッシュでワイルド、という野性味が魅力であるのに対して、村上さんは知的な雰囲気があります。だから『秀吉』の明智光秀のような、文才があり、ちょっとナイーブな役などがとても良く似合います。光秀は良い役でしたね。今回の藤原清衡は、父方が藤原氏ということで都人の優雅な雰囲気を持ち、更に父を殺した敵の家で青年期まで暮らすという苦難の境遇を耐える不屈の闘志を秘めるという、なかなか複雑な役どころです。が、村上さんの品のある顔立ちと我慢強い東北人の気質(岩手県出身なんですね)が、清衡という役に合っていたのではないかと思います。個人的にはヒーロー系よりこういう「耐え難きを耐え・・忍び難きを忍び・・・・」みたいな役が結構似合うと思ってるんですがどうでしょう?大河ドラマも最近出演がご無沙汰気味なのでまた出て欲しいと願っているのですが、とはいえ「ちゃんとした大河ドラマ」に限りますけどね・・・coldsweats01

なにはともあれ、渡辺謙とはまた異なる魅力をもった村上弘明版『炎立つ』を見てまいりましょう!

sunsunsunsunsun

第2部 冥き稲妻

第13話 -母子の契り-

前九年の役から3年。厨川の落城で吉次一族に助けられた清丸は、そのまま吉次たちのもとで暮らしておりました。それが母、結有(古手川裕子)の願いを受け、彼女の再婚先で共に暮らす事が許され、乙那(寺田稔)と菜香(鈴木京香、この人も助かってたのねsweat01)に連れられ、その再婚先に向うところからドラマは始まります。

結有の再婚先、それはなんと清原家。前九年の役にて国司源頼義に味方し、安倍を滅ぼしたにっくき仇の家。結有は厨川落城の際、敵の清原武貞(名高達郎)に捕えられ、「戦利品」として武貞の側女にされてしまっていたのでした。当主清原武則他、清原一族の前に引き出された清丸「清原の家に入るからには、清原の者になってもらう、連れてきた従者は帰せ!」「女のような顔立ちだ、坊主の稚児にして可愛がってもらったほうがいいんじゃないの?」とか、一族連中から言葉の幼児虐待を受け、悔しさに体震わす清丸。ようやく会えた母、結有との再会も、しかし彼女の腕に抱かれる赤子の存在が清丸の心に影を落としました。結有は武貞の側女となった後、彼との間に家丸という男の子をもうけていたのです。わずか6.7歳でこのような辛い境遇に身を落とすとは・・・・あまりの不憫さに涙を通り越して怒りすら覚えます。

さて、清原氏は前九年の役の後、安倍氏が所有していた奥六郡の支配も認められます。更に「鎮守府将軍」という肩書きを朝廷から貰い受けるのです。これによって、自身の所領である山北三郡と奥六郡だけでなく、東北地方一帯(現在の福島県、山形県以北)の軍事権をも掌握する事を認められたのです。これはかなりの権限です。要は東北地方のほとんどを掌中に治めたといっても過言ではありません。さて、万々歳の清原氏を横目に、馬鹿を見た2人がいます。前九年の役の火付け役、「武士じゃなく豚だ!」と経清に罵られた源頼義(佐藤慶)とその息子義家(佐藤浩市)です。論功行賞にて頼義は伊予守、義家は出羽守の地位を与えられます。位階は2つランクアップしたものの、伊予は陸奥より国土が狭く、出羽は実質的には清原氏が管理しています。つまり外身は良くても中身がともなわない、2人にとっては大変不本意な結果となったのです。この背景には武士の台頭を危険視する朝廷側の意向が大きく関係しております。先の合戦での源氏の活躍を重く見た朝廷は源氏がのさばるよりは俘囚の清原氏に権限を与えた方が良いと判断したのでしょう。「あの10年に及ぶ苦労はなんだったのか、結局得をしたのは清原のみ・・・」忸怩たる思いを抱えながら、頼義親子は陸奥をあとにするのでした。

話は飛んで、清丸13歳。元服を迎え、名を「清衡」と改められます。これで晴れて清原家の一員となったわけですが、安倍の子である事は周知の事実。義理の兄である真衡(萩原流行)などは端から弟だとは思っておりません。「お前の親父は鋸引きにされ、あまりの痛さにひぃひぃ泣いて喚いたそうだ。見苦しいとは思わんか?」などとあからさまな言葉の刃をぶつけられます。が、清衡は負けた側なので何も言えません。そうして溜まりに溜まった怒りをとうとう母である結有にぶつけてしまうのです。「みんな母上を安倍の尻軽女って言ってます!父上が死んだ時に母上も一緒に死ぬべきだったんです!」と。いやまさか13歳の少年から「尻軽女」の言葉が聞けようとは・・・coldsweats02

清衡の暴言にさすがの結有も思わず平手打ち。校舎の裏庭・・じゃなかった納戸に清衡を引っ張っていき、そこで自分の存念を伝えるのでした。

「武貞に凌辱され、子供を産まされたときに母は死んだ。それでも生きてるのは清原を恨んでいるから、清原を根絶やしにしたいと思ってるから。でも女1人じゃ出来ないからお前を呼んだ。清原の家にお前を食い込ませ、成人したあかつきには、母と2人力を合わせて奥六郡をそなたの手に取り戻すのだ。清原一族を食い散らし、安倍と物部の怨念を込めて藤原を再興させる。それが経清殿の子であるそなたの役目ぞ!」

「そのためだったら母は、仇の子を2人でも3人でもひり出してやろうと思う。頭の先から足の先までどっぷりと清原に浸かったふりをして、心の内では復讐の炎を燃え立たせているのだ。」と。

そして元服の折、授けられた「清衡」という名、これは父経清の「清」と叔父永衡の「衡」から取ったということ。2人とも俘囚ではないのに、安倍のために命を賭けてくれた。もし、お前の名が陸奥に輝く時あれば、そのときは2人に感謝するのですよ、と。

母の壮絶な決意を知り、清衡は自分の浅はかさを恥じ入ります。暗い部屋の中で、母子は藤原家再興の契りを固く交わすのでした。

そんでもって、さらに時は流れ・・・(第2部は8話しかないから展開が早いのですcoldsweats01)清衡28歳(ここから村上弘明さんの出番です)。すでに一人前となった清衡は陸奥国江刺の領地を任され、妻や子供たちとともに、つつましく暮らしていました。母の暮らす胆沢も近くにあるので、結有とも頻繁に行き来を交わしています。さて、清衡の館には柾(まさき、洞口桐子)という女性が滞在しています。彼女は清衡の異父弟、家衡(豊川悦司)の見合い相手であり、この日は母の結有も間に交えて、家衡と柾の見合いの日だったのです。柾はなかなかしっかりした女性ですが、どうも結有はこの柾があまりお気に召さぬよう。家衡が来ぬうちにもう彼女を返してしまえ!と言うのです。あんまりの無茶に驚く清衡ですが、妻の貴梨(きり、坂本冬美)曰く、「母上は家衡殿のこととなると目の色が変わってしまう。」のだそう。敵の子ではあるものの、自分の腹を痛めた子。結有はいつの間にやら家衡に過大な愛情を注ぐようになってしまっていたのでした。そんな母の変貌ぶりになにか釈然としない清衡です。

結有に遅れることしばらく、ようやく弟の家衡(豊川悦司)が到着します。しかし家衡は血相を変えていました。なんと父である武貞の容態が危ないと言うのです。見合いモードから一転、清原一族の棟梁の危篤に驚き慌てる清衡。それは「後三年の役」へと続く悲劇の幕開けでもあったのです。

clubclubclubclubclub

というわけで第2部始まりました。

いやぁ~暗いですねsweat02暗い、暗いcoldsweats01こんな暗い話を夜8時台にやってたなんて、まったくもって「恐れ入谷の鬼子母神」ですよハイ。さすがに8時台にこんだけ暗い話持ってこられると、視聴者も引いてしまうのか、当然の如く当時の視聴率は散々だったようです、あちゃちゃちゃ・・・sad。まぁ「凌〇」とか「〇軽」とか放送コードギリギリな台詞のオンパレードですからねぇ・・・すごいよな、こんな台詞役者に言わせるって。思わず拍手しちゃった。きっとスイーツ大河しか知らない人は『炎立つ』みたら「ムリ!!」て拒絶反応起こしそうですが、でも良く考えてくださいな。合戦で負ければ男は首を刎ねられる、女は戦利品扱いです。こういう非人道的な行動がまかり通った時代が前近代なんですよ。そりゃ皆必死になりますよ。生きるか死ぬかの瀬戸際にいつも身を置いている人たちなんです。「愛」とか「義」とか言ってらんないんですよ。だって「負ければ死ぬ」んですから。運良く生き残っても結有や清衡のように勝者の風下に立つしかないんです。そんなある意味死んだ人間が生きるよすがとして「復讐」を選ぶのも無理からぬことです。

多分中島丈博氏は第2部で「生きる執念」みたいなのを描きたいんじゃないかしら?そして極限状態の中で爆発する人間の本質、それがどう歴史を動かしていくのか・・・捨てようとしても決して捨てられない人間の持つ「エゴイズム、業」といったものをきっと描きたいんですよ。結有の台詞なんて正に「生きる執念」ですよね。こういう想像を絶する環境で清衡は生きていかなくちゃならなかったんですね。すさまじいことですbearingそれを簡単に「暗い」とか「難しくてわかんない」とかで一蹴してはいけないと思います。

馴染みの薄い平安後期の奥州を題材にしたというだけでもこのドラマは評価に値すると思います。少ない史料でもなんとか「らしさ」を出そうとしていますし、オールロケで臨場感抜群。渡辺謙・村上弘明という時代劇界の2TOPをオファー。時代劇ファンなら決して無視できない一作だと思います。90年代の大河は「太平記」を皮切りに「琉球の風」とか「花の乱」とか、マニアックな題材が多いです。多分色々試してみようという試行錯誤の時代だったと思うのですが、なかなか意欲作が多いですね。放送当時は決して視聴率は良くはないものの、後年再評価されている作品が多いことを考えると、本当の良い作品というのは「再視聴に耐えられる作品」かもしれないですね。

長々書いてしまいましたが、一つ気になったことが。安倍一族の影の協力者、金売り吉次一族ですが、第2部冒頭で物部氏の末裔であることが判明します。何故物部氏?とちょいと色々調べてみたのですが金山経営と物部氏が結びつかなかったのです。どうして物部氏という設定にしたのかしらん?う~ん、不思議だ・・・・think

| | コメント (0) | トラックバック (0)

色々大河③ -太平記 Part2-

『太平記』も北条一族が滅亡し、後半パートに差し掛かったところまで観てしまいました。前回ちょっとした感想を書きましたが、回が進むにつれ、更に素敵な登場人物が現れたので、またちょっとご紹介を。『レッドクリフ Part2』公開記念に倣い、『太平記 Part2』ってことでお楽しみ下さい。

cherry素敵な登場人物たち

足利直義(高嶋政伸)

尊氏の弟。尊氏がハイになったり、アンニュイになったりで感情が定まらない困ったちゃんなのに対し、弟直義はしっかり者というのが定説だそうです。尊氏も直義をすごく頼りにしていて、史実でもお寺に預けた願文に「どうぞ弟の直義に御加護を与えてください」とか書いちゃったりして麗しい兄弟愛です。でもそのうち仲違いしちゃうんだな、これがweepしかしながらドラマの直義はちょっと3枚目キャラです。尊氏が主人公のせいか、若い時分は血気盛んに物を言わせて突っ走っちゃうとか所謂「切れ者」という定説とは見事に真逆の性格で、噂では当時このドラマを見ていた中世史の研究者の中では「こんな直義違う!」と文句言った人がいたとかいないとか。でも高嶋政伸さんの直義は見た目暑苦しく、猪突猛進なところがありますが、回を追うごとに頼もしくなっていってこれはこれで見事な演技です。ただちょっと戦が下手なんですね。負け戦の描写が多い。史実では尊氏は幕府を運営していくに当たり、実際の政務は全部直義に委任しましたが、軍事力だけは自身が掌握したまま、所謂ニ頭体制を敷いてしまったため、派閥が出来て争乱になってしまったそうです。ドラマでの直義の戦争下手はそういう史実をふまえてのことかもしれないです。それにしても尊氏が出てくるだけで戦が優勢になっちゃうってすげぇな尊氏。

新田義貞(萩原健一→根津甚八)

当初、ショーケンが新田義貞をやる予定で最初の2,3回くらいは出ていたのですが、病気で降板したため、根津甚八さんに変わったそうです。ドラマ全編通して9割方は根津版の新田義貞です。新田義貞といえば、「太平記」では足利尊氏のライバルという位置付けで「北朝の足利、南朝の新田」という感じで私自身足利に劣らぬ勢力と勝手に想像してましたが、どうやら実態は天と地との差。鎌倉幕府存命当時から源氏の棟梁として幕府から危険視されていた足利に比べ、同じ源氏の出とはいえ、合戦時には田畑を売り払って資金を調達しなくちゃいけないくらいの貧乏御家人、というのが新田氏の現状だった模様。うまいこと後醍醐側に味方して北条氏を討伐し、その流れで帝に忠節を誓っていたら足利が叛旗を翻しちゃったので自動的に南朝の軍事面のトップに踊り出たというところでしょうか。とにかく根津さんの義貞は良くも悪くも「田舎武士の朴訥さ」がにじみ出ています。よく言えば「純朴」、悪く言えば「馬鹿丸出し」。駆け引きとか調略とかそういうのは全然ダメです。決して戦が下手ってわけじゃないのでしょうが詰めが甘いというか、先を見通せる能力がないというか、要するに大軍を率いる将の器じゃないんですね。6万の大軍で山城1つ落とせないし、囮に引っかかって易々と敵の侵入を許しちゃったり・・・sweat02ライバル(義貞が小粒すぎるからこう言うのも失礼かも?)の尊氏も駄目っ子キャラですが、彼の場合は合戦になると神がかり的に強いし、やると決めたら結構黒い事もやっちゃえる柔軟さがあります。この辺が「都会派」(尊氏)と「田舎者」(義貞)の違いなんでしょうかねぇ・・・・。そういう馬鹿正直なところが権謀長けた公家連中には使い易いと思われたようですが、目を付けられたのが義貞の不運でした。負けて逃げれば公家連中には馬鹿にされるわ、味方の楠木正成にも「馬鹿か!」(そこまで直接的じゃないけど、話の流れ的にそんなニュアンスのことを言っていた)と言われちゃうわでもうズタボロです。あまりに不憫すぎて見てるこっちが泣けてきましたweep皆ひどいよ!へタレはへタレなりに頑張ってるんだよ。認めてあげて!

そんな残念すぎる義貞ですが、なんと彼には素敵なラブロマンスがありますheart04お相手は宮中一の美女、匂当内侍(こうとうのないし)です。きっかけは宮中で落とした扇を拾って手が触れ合うというベタもベタな展開ですが、無骨な義貞が心に秘めた思いを打ち明けるシーンは昨今の恋愛ドラマにはない「大人の男の魅力」が出ていて良い場面でした。根津甚八さんだからこそ、の魅力でもあったかもしれませんが(ショーケンだとちょっとな・・・)。ともかく周りからあれだけ罵倒されて踏んだり蹴ったりの状況ですから、せめて美女との恋物語でもなきゃ義貞だってやってられんでしょうな。

一色右馬之介(大地康雄)

ドラマのオリキャラです。幼い頃に一族を北条氏に殺され、尊氏の父、貞氏(緒方拳)に引き取られます。尊氏が若いときは側役として付き従っていましたが、藤夜叉(宮沢りえ)が尊氏の子を身篭ると影で藤夜叉親子を守るよう尊氏の命を受け、以降は隠密のような形で尊氏の力になるという中々使い勝手の良いキャラです。『功名ヶ辻』の六平太のようなポジションと思っていただければよろしいかと。普通オリキャラの「忍び」というとお色気担当も兼ねて女性がキャスティングされることが多いですが、『太平記』ではそれをせず、安定感抜群の大地康雄さんを配したあたり、なかなか「乙な配役」だと個人的には思ってます。今まで大河で出てきた数多くのオリキャラの中でも抜群に仕事の出来る人です。初音たんもコスプレしてる暇あったら情報収集してきなさい、です。

北畠親房(近藤正臣)・顕家(後藤久美子)親子

後醍醐天皇の側近の公家。公家一統の政治体制を目指すべく、尊氏たちと敵対していくわけですが、近藤正臣さんの公家姿はよくお似合いです。息子の顕家は公家には珍しい弓の名手で武芸の達人。天才的な軍事能力を発揮して、南朝方の原動力になります。ところでこの顕家、一説によるととんでもない美少年だったとか。当時のスタッフはそういう説を踏まえて中性的な美を表現するため、あえて国民的美少女のゴクミをキャスティングしたそうです。ゴクミは『独眼竜政宗』の愛姫(少女)役に引き続いての大河出演ですが、「政宗」の頃よりグンと演技も上手になってます。鎧を着て、馬に乗り、弓矢で戦い・・・となかなかアクロバティックに頑張っていました。ただ「男の子」に見えたかどうかといわれるとそこはちょっとう~んdespairってなっちゃんですが、でも頑張ってましたよ。中性的な魅力がありました。傷だらけになりながら山中を彷徨い、自刃するシーンは本当に胸がつまりました。息子の死を伝え聞いて、白粉をグシャグシャにして泣く親房父上の演技も素晴らしかった。『太平記』は総じて、自害のシーンの描写が上手いです。北条一族の滅亡も楠木一党の討死もドラマの山場なのでともすれば演出が過剰になりやすいのですが、BGMと役者さんの演技、演出、3つがバランスよくお互いの良さを引き立てていて自然と悲しみが内から湧き上がって来ます。演出って大事ですよねホントcoldsweats01

阿野廉子(原田美枝子):後醍醐天皇の寵妃。こういう悪女系やらせると原田さんはホント上手いです。

千種忠顕(本木雅弘):いまや世界の「おくりびと」になっちゃったもっくんですが、この頃の演技はまだまだ今ひとつ。だけど世渡りの上手い小心者の公家ってキャラがもっくんぽくなくてなかなか新鮮。どういうわけだか途中から全然登場しなくなった謎の人。

ましらの石(柳葉敏郎):藤夜叉の幼馴染。「風林火山」でいうとこの平蔵みたいな役。足利の悪党に両親殺されて恨んでる。どういうわけだかこの人も途中からいなくなった。どゆこと?

高師直(柄本明):足利家の執事。不気味さ加減は抜群なんだけど、いまいちキャラが掴めない謎の人。だんだん直義と仲が悪くなってきている。

脇屋義助(石原良純):新田義貞の弟。石原良純って最近バラエティばっかだけどドラマもなかなか。この義貞・義助兄弟ですが、尊氏・直義兄弟と似ています。つまり両者とも「お人よしな兄貴としっかり者の弟」という図式が当てはまるのです。スケールは違えど義貞も尊氏も「お人よし」だから弟達の苦労が偲ばれます。余談ですが私は「古典太平記」の中で、この脇屋義助の登場する「金ヶ崎後攻めの段」が一番好きです。去年の夏に訪れた福井県杣山城はこの金ヶ崎攻防戦に関係しています。ドラマでもチラッと出てきて思わず叫んじゃいました。

tulip前回からの補足な人々

足利尊氏(真田広之)

源氏の棟梁になり、北条討伐を決断してからはグッと大人になり、頼もしくなりました。それは素敵です。ただ・・・人間成長しても本質的な部分は変わらないというか、益々ひどくなったというか・・・・つまり尊氏は結局「お坊ちゃま気質」なんですね。生まれたときから源氏の棟梁の倅としてお金や土地の苦労を知らずに生きてたので欲が無い。太っ腹でガツガツしていない。大らかで情に篤い。こんな棟梁なら誰もが付いていきたくなりますよね。でもですね、人間長所もあれば短所もあるんです。欲がないってことは執着心がない、だから結構感情に任せて投げ出したがる。帝に許しを得ずに関東に出兵しちゃったので帝が怒って尊氏討伐命令を下したと聞くと「俺は帝とは争いたくない!出家する!」ていきなり家臣一堂の前で髻切っちゃうしsweat01そんなの無断で出兵した時点で覚悟してたんじゃないの?出家してアンタはいいけど家臣たちどうすんの?そんでもってお寺に篭るはいいけど、結局直義達が朝廷軍と苦戦と聞くと「出陣する!」て言い出すし・・・「戦となれば勝たねばならない」とか言っちゃってるけどアンタさぁ「戦はしたくない」んじゃなかったの?どゆこと?

とまぁこのように「感情に任せた行動」が目立ってくるわけですよ。真田広之さんの貫禄のある演技でもっともらしく見せてますが、やたら情緒的なところはとても大将とは思えないです。しかも悪気があってやってるわけじゃないから余計に始末が悪い。ただまぁ「憎みきれないろくでなし」とはよく言ったもの、尊氏にはそれでも何か人を惹きつけるものがあるんですね。「こんな大将だから俺達が助けてやらなきゃいけねぇ!」て思うんでしょうか。彼が立つだけで団結力が上がるって・・・なんというか「得な性分」だよなぁ。中国の劉邦とか劉備みたいな人物なんでしょうね、きっと。大将のタイプとしてはかなり変り種なんじゃないかしら?

佐々木道誉(陣内孝則)

相変わらずダーティーヒーロー気取ってますが、さしもの道誉も尊氏がここまで「天然不思議キャラ」だとは思ってなかったのか、二転三転する尊氏の気持ちの変化に目を丸くすることしばしば。常識外れの婆紗羅大名の振る舞いも同じく常識の範囲外の御仁に対しては効果も少ないのか、ちょっとインパクトが薄くなってきています。それでも尊氏の才能を買ってここぞという時に助力するなんて道誉、アンタは偉い。

登子(沢口靖子)

実家の北条の家が滅亡して、お兄ちゃんは討死。その2年後「中先代の乱」で命からがら鎌倉から脱出と結構大変な目に合い、さすがにちょっとやつれてきた気がします。しかも尊氏から藤夜叉のことを打ち明けられて子供引き取りたいとか言われ、結構なショックを受けます。尊氏って浮気しちゃったら「嘘をつかないことが優しさ」だと勘違いするタイプだなきっと。可憐なお姫様にも暗い翳が出てきてます。

appleappleappleappleapple

後半に差し掛かり、予算がなくなってきたのか、合戦のシーンが使いまわしとナレーション処理になってきたのが残念です。尊氏が朝廷討伐軍にボロ負けして九州に落ち延びてそこで兵力を蓄えるまでのくだりとか、かなり興味あったのですが、見事にスルーです。私の大好きな越前金ヶ崎の攻防戦もスルーです。はしょりすぎてちょっとわけわかんなくなってます。やっぱ2年=100話構想で『太平記』をやってほしかったな。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

色々大河その② -独眼竜政宗-

渡辺謙ファンの友人から『独眼竜政宗』は是非見てくれと勧められたので、その場のノリに任せて借りてしまいました。

ドラマはまだ第8話までしか見てないので、渡辺謙は8話の最後にちょびっと登場しただけ。でも色々見所一杯のドラマだったので、早々に感想を。

第8話まで見て思ったこと・・・

        ホームドラマ大河斯くあるべし。

「ホームドラマ大河」と聞いて皆さんはどのようなイメージをもたれるでしょうか?「軟弱」「女子供との絡みが多く、合戦シーンが少ない」「女性がやたら出張ってくる」「戦が嫌い、とか戦は良くない、とか変な平和思考が目に付く」などなど・・・大河を長年見ている方々の多くは次の大河のコンセプトが「ホームドラマ風」と聞くだけで「あぁ~ぁ・・・今年もか・・・sad」と落胆のため息をつくのではないでしょうか?かくゆう私もその1人です。

一体いつから私達は「ホームドラマ大河」にこんな風にどちらかといえば「残念な」イメージを持つようになってしまったのでしょう?「ホームドラマ大河」では歴史の重み、複雑さ、陰惨さを表現できないのでしょうか?・・・いいえ、違います、出来るはずです。というか出来るのです。『独眼竜政宗』は、家族との絡み、主従の絆、合戦の駆け引き、主人公の成長、そしてその裏に潜む歴史の闇・・・全ての要素が絶妙なバランスを保ち、見事にドラマの中で融合しています。「あの時代の人たちってもしかしてこんな感じだったのかも・・・・」、『独眼竜政宗』はそんな戦国時代の「息吹」を感じる事が出来る素晴らしい『ホームドラマ大河』です。『篤姫』も『功名ヶ辻』も『利家とまつ』もそして『天地人』も、『独眼竜政宗』に学ぶべきであった・・・・まさにホームドラマ大河の手本というべき作品だと思います。もし、ここ最近の大河を見て、大河ドラマに興味を持った方がいらっしゃったならば、まずは『独眼竜政宗』を御覧になったらいかがでしょう。

そんなわけで、今日は登場人物の感想はもちろん、気になったり、おもしろかった点などを挙げていきたいと思います。

appleappleappleapple

・オープニングがかっちょいい

勇壮な曲調が素敵。耳に残ります。『太平記』は曲調が武満徹風の不安定な感じだったのに対して『政宗』は戦国時代の荒々しさを全面に押し出した曲調です。端的でわかりやすい。レーザービームを当てた演出に「これも所謂スポットライト演出ってやつか?」とちょっと笑ってしまいましたcoldsweats01

・登場人物達の台詞回しが小気味良い

北大路欣也を筆頭に、名だたるベテラン俳優さんたちの重厚な演技がドラマに緊張感をもたせているのはもちろんですが、それだけではなく、見ていてすごく「戦国らしさ」を感じるのは、登場人物達の動作や仕草といったものが結構効を奏しているのではないかと・・・。例えば歩き方一つとっても家臣を引き連れ廊下を歩いていくシーンなど、皆さん床をドタドタと派手に鳴らし、しかも結構早足で歩いてました。これが当時の礼法的にあっているのかどうかというのはわかりませんが、そういうのはこの際些細な事で、要は多くの人がイメージとして持っている「戦国時代の荒っぽさ・ギスギスした雰囲気」つまり「明らかに現代とは違う」という印象を視聴者に与え、時代劇の世界に入り込ませているような気がします。それは台詞回しにも表れてると思います。最近の大河に比べてすごく台詞の言い回し方が皆さん小気味良いのですよ。早口とは違うけどでも一つ一つの単語をパッパッと刻んで話すと言うか・・・う~ん上手く表現できないのですがbearingとにかく大変リズミカルなんですね。それが「生き馬の目を抜くような乱世のせわしなさ」を出していてとても良いです。聞いていて心地よいですね。カッコいいhappy02

・お東の方と愛姫

戦国時代のモンスターペアレント義姫、通称お東の方。どんなとんでも母さんかと思ったら意外や意外、私そんなに嫌悪感を覚えませなんだ。原作の山岡荘八『伊達政宗』を昔読んだことがあり(長くて大変だった・・・)原作ではいつの間にやら政宗を嫌っていた印象があって理不尽だなぁと思っていたのですが、ドラマでは母子の溝が深まっていく様子がとても丁寧に繊細に描かれていたと思います。隣国の最上家から嫁いで来た義姫。夫輝宗との仲は悪くなく、見事嫡子を産み落とし、立派に務めを果たしました。でも実家の最上は内紛が絶えず、伊達とも一触即発。いくら嫁いだとはいえ実家がエライ事になればそりゃ心配です。でも輝宗は伊達の棟梁。いくら最上が妻の実家とはいえ、一度合戦となれば伊達のために戦うのは当然のこと。だから義姫が最上を助けてくれ!と言っても「女の分際で差し出がましいわ!」と突っぱねちゃうのですね。これは仕方が無いことです。で、更に自分で産んだ息子も嫡男だから基本的に乳母とか守役が養育するんです。だから手許で育てられない。寂しいですね。そういう小さな確執が少しずつ少しずつ溜まっていった所に次男が生まれちゃったからもう猫可愛がりです。誰が悪いってわけではないんです。皆正しいと思うことをやっていくなかで生まれる「歪み」が悲劇に変わっていく・・・結局決定的な理由はないんですね、だから悲しく、空しい。見ているうちになんとはなしにやりきれなさを感じてしまう、そんな描写でありました。

こんな風に思えるのも、自分自身社会人になって親元から離れて暮らすようになったのが影響していると思います。実家の両親が合戦で殺されるとか考えられますか?いくらお嫁に行ったからといっても実家がなくなるなんて嫌ですよね。戦国時代はそういうのは当たり前なのはわかっていても最後の拠り所がなくなること、これは現代人にとってもその時代の人にとっても本能的に苦しい事だと思います。そういう戦国の「非情さ」が随所に表現されているので、トラブルメーカーお東様にもなんとなく同情しちゃうのです。

それは同じく愛姫にも言えます。10歳かそこらで遠い所に嫁に来て、不安で一杯なのにいきなりずっと付き従ってた侍女が殺されちゃうなんて・・・・もちろんちゃんとした理由あっての殺害ですからしょうがないとはいえ、でも・・・ねぇ?そりゃ暗くもなるわ。鬱にもなりますよ。しかも姑はあんな感じだしcoldsweats01側室に入ってきたのは天然KY娘と来た。そりゃ可憐なゴクミも疲れた顔の桜田淳子になりますよ。ちなみに私それほど「ゴクミ→桜田淳子」のライン気になりませんでした。別にそんなにわるくないじゃん、桜田淳子。色白だし、ちょっと陰気な感じだけどそれはしょうがないしね。可愛いだけの大根演技見させられるより100万倍良いと思いますけどね。それでも納得いか~ん!て人は一度『徳川吉宗』の「子役→西田敏行」の変身シーンを御覧になったらいかが?たぶん全てが許せると思いますよhappy01

・梵天丸→藤次郎→政宗

正直に言えば、梵天丸の微妙に可愛くない顔にビビりましたcoldsweats01

ボヤァ~としててお東様でなくとも「大丈夫かなぁこの子despair」と不安がよぎるのを止められませんでした。でもドラマを見ていくうちに、そんなぼんやりした男の子が『梵天丸はかくありたい』とか疱瘡でやられた片目を切り取ろうとしたりとか、所々で凡人とは違う何かを見せてるところに、「これはあえてこういう子を選んだのかしら?」と思ったりもしました。政宗関係の小説を読むと幼少期の彼は片目のせいか、すごく引っ込み思案で暗い子だったそう。そう考えるとあんまり利発そうで可愛い子はかえってリアリティがなくなりますね。こりゃ中々ニクイ演出ですな。しかも前半8話まで子役を使うことで、コンプレックスを跳ね除けて少しずつ、少しずつ成長していく過程が丹念に描かれていると思いました。見ていても「あ、だんだんしっかりしていってるな。」てのがすごく感じられて所謂少年○ャンプのような「主人公の成長物語」としても十分に見ごたえのあるドラマです。「天地人」もせめて5話分くらいは子役を使ってこういう成長の過程を描かないと感情移入が出来ませんよねdespair

ところで、先述したように政宗を取り扱った小説は数多あります。中でも一番有名なのはこのドラマの原作、山岡荘八の『伊達政宗』でしょう。私も頑張って読みましたが、原作の政宗はちっちゃい頃から結構「スゴイ子」扱いで全編通して「スーパーヒーロー」的な描写だったので、まぁそれはそれでいいんですが、あまりにも凡人と違いすぎてなんだかなぁgawkといったところ。でもドラマの政宗は原作よりずっと人間臭く、等身大のヒーローとして悩んだり、苦しんだりしていて政宗の描写に関してはジェームズ三木の方がいいなぁというところ。政宗関係の小説では海音寺潮五郎の『伊達政宗』がオススメです。関白秀次事件頃までで完結してしまいますが、簡潔な文体で謀略家としての政宗の顔も見れて私は政宗の小説の中ではこれが一番好きですね。

それにしても渡辺謙は素晴らしいですねshineもう声の出し方から違う、そこにいるだけで「存在感」がある。パワフルでエネルギッシュsign03やっぱ時代劇の出来る俳優は「草食男子」じゃ駄目かもしんないthink

その他色々

・やたら血縁関係が濃い

政宗の祖父、曽祖父が頑張って子作りして、諸国大名に嫁がせ血縁関係を結んだおかげで皆が皆親戚同士。親戚同士で合戦している。それが奥州の情勢です。主君だけでなく、家臣も血縁関係が濃い。鬼庭左月(いかりや長介)は前妻との間に喜多(竹下景子)をもうけるも、男子が生まれないから離縁します。喜多の母は再婚先で片倉小十郎(西郷輝彦)を産んで、左月と後妻の間に鬼庭綱元(村田雄浩)が産まれ・・・・つまり喜多・小十郎・綱元は異母兄弟と異父兄弟という間柄で・・・う~ん、ややこしや、ややこしやdespair

・「相馬と伊達は仲が悪く、毎年のように小競り合いを繰り返している」という説明→半ばイベント化してる。運動会かsign01

・意外とセットがちゃちい金がなかったのかな、セットが結構しょぼいsweat02でもあまり気にならない。やっぱ役者の熱演とかそういうのかなぁ・・・『天地人』頑張ってよホントsweat01

・勝新の秀吉さっぱり猿っぽくないけど、存在感は抜群です。ラスボスって感じで良いです。というか勝新が演じている、ドラマ的にはそれが重要なんでしょうね。十分役目を果たしてます。

・政宗の兜→有名な三日月兜。カッコいいけど邪魔くさそう。木にひっかかったりしないのかな?馬で駆けてたら低い木の幹に引っかかって「おぉぉうっっ!??」とかなってたらおかしいcoldsweats01

| | コメント (2) | トラックバック (0)

大河ドラマ「炎立つ」を観る 第12話-厨川落城-

日曜の夜、『太平記』の鎌倉炎上の回で北条一族討死のシーンに感動したあと、『天地人』のOPでChange!とか出て一気に気分がダダ下がってしまいました。こんにちは、侘助です。初めてOP習字見ちゃった。何なんだChangeって・・・その前に脚本・演出・役者総Changeしてくれよ。なんでまさみたんドレス着てんの?何で信長と怪しい関係なの?なんでなんで??お船はなんで兼続がいいの?スクールウォーズ信綱のが断然頼りがいあるじゃん、私だったら迷わず信綱よ。なんで?つーかホントにさぁ・・みんな真面目に『御館の乱』やって頂戴よ!!もう突っ込むところが多すぎて大笑いするしかないぜwobbly

ま、それはともかく。お待たせいたしましたいよいよ『炎立つ』第1部完の感想です。DVD見てからだいぶ経ってるのでちょっと忘れがちですが日が経っても『炎立つ』のOPはしっかり頭に残っております。ラブコメ大河じゃ到底出来ない、ショッキングシーン満載のドラマティック大河、世界の渡辺謙の名演を見よ!では参ります。

第12話 -厨川落城-

経清が発案した「衣川撤退&衣川に頼義軍おびき寄せよう」作戦は、貞任の妻流麗の密告であえなく失敗となり、貞任、経清軍は安倍の本陣が置かれた厨川の柵まで撤退します。厨川の柵は峻険な崖の上に建った難攻不落の要害です。「柵」と聞いて、最初牧場の囲いのようなのを想像しちゃったんですが、ちょっと調べてみるとどうやら今で言う「山城」みたいなもののよう。俄然興味が湧いてきました。柵か・・・要チェックだ。そんなわけで天然の要害はいかに戦力の増した頼義・清原軍でも簡単には落せません。なかなか落すことができず、頼義もやきもき、元経清の家臣で義家の家臣になった瀬田剛介に当り散らしちゃったりします。キレられた剛介はあたふたしながらも「敵は篭城に際して、飲み水を貯水場から補給していて川から水を汲んできてはいません。貯めてある水なら限度があるはず」と気付いた事を言います。それを聞いた義家はそこでハタと妙案を思いつくのでした。

数日後、頼義軍は付近の民家を壊し、木材を集め、それを厨川の柵を囲む堀に大量に投げ込みます。そしてその木に火を付けたのです。敵方は「火攻め」を仕掛けてきた!この火が柵内の建物に燃え移っては一大事です。なんとかその前に消し止めたいのですが、貯水場の水を放てば飲み水がなくなり籠城が出来なくなります。貞任は悩んだ末、水を放つ事にしたのですが、これが大失敗。頼義軍は堀の幅より長い板を掘に掛け、その上から燃えやすい木々をばら撒いて火をつけていたので、堀に水が流れても火はその上で燃えつづけているのです。なんとまぁ頭のいい奴らです。これで安倍側は飲み水も減り、火が柵内に燃え移り、逆に追い詰められることになってしまいました。

さて、安倍側が窮地に陥りはじめる中、金売り吉次たち一行は娘の沙羅の占いでいち早く安倍の敗北を予見していました。なんとしてでも安倍の血を絶やしてはならんと結有と清丸を連れ出そうと試みるも結有は頑として受け付けません。そうこうしているうちに嫗戸(うばと)ノ柵を守備していた安倍兄弟の5男、重任が手勢を引き連れ柵より討って出ていく事態になってしまいました。わずか1500の兵で頼義・清原軍と戦う重任、勝ち目はほとんどありません。しかし今ここで助けに行けば更に敵の思う壺・・・・貞任は重任を見殺しにすることを口にしますが、叔父の良照(塩見三省)らは大反対。「親兄弟を見捨てぬ事が安倍の誇りではないか」と。一族家臣の間に不穏なムードが漂い、戦況はおろかその結束までも崩れようとしています。そんな現状を見て、経清は自分が重任を助けに行くことを決断します。出陣を前に結有を呼び「何かあれば、清丸を連れて逃げろ」と言い残して柵より討って出ます。

経清が柵を出て重任の救援に向かったことを知った貞任は怒ります。

「馬鹿め!何故行かせた!重任1人ならば冥土で俺が詫びれば済むが、経清は安倍の婿ぞ。」

友の窮地を見過ごすことは出来ないと思った貞任はついに自らも討って出るのでした。

「人には外してはならぬ道がある。俺も経清と共に戦う!」

もはや水の補給も断たれ、籠城戦はどのみち長くはもちません。この上は一族総出で決死の突撃を仕掛ける他ないと覚悟したのでしょう。柵を出て行く貞任の顔はしかし、それほどに悲壮ではなかったと記憶しています。もともと、猪突猛進の暴れ馬だった貞任。ホントは籠城戦なんてかったるい事はしたくなかったのでしょう。しかし安倍の棟梁となった以上、一族を守るため我慢することも多かったのでは?死地に赴く貞任は安倍の棟梁ではなく昔の「暴れ馬」になっていたような気がします。戦況は絶望的なのに、それでもどこか清清しさを感じるのは、戦というものに「美」を求めようとするその当時の男達の生き様が強く映し出されていたからかもしれません。

さて、友を助けるため出陣した貞任を見て、経清は開口一番「阿呆が!」と怒鳴ります。でもすぐに「お主の死、俺が見届けよう!」と言うのです。互いに慰めの言葉も湿っぽい別れの挨拶もありません。「俺は死ぬ」「なら見届けよう」、心通わせた「強敵(とも)」にはもうこれだけのやり取りで十分なんですね。経清と貞任、2人の目は輝いています。戦う男にとって戦場で死ぬ事は「最高の誉れ」、だから悲しくなんてないんです。いいですね、こういう描写。あぁぁ『花の慶次』読みたくなってきたhappy02

2人の猛将率いる安倍軍は一勢に頼義・清原軍に襲い掛かります。しかしやはり多勢に無勢。次第に兵の数も少なくなってきます。乱戦の最中、経清の従者、稲垣五郎扮する小田忠平も負傷して落馬します。馬から降りて助けようとする経清を「おかまいくださいますな」と止め、脇差で首を掻っ切って死ぬシーンには涙ですcrying稲垣五郎はホント脇役って感じで台詞も少なく、演技もまだぎこちなくパッとしませんでしたが、こんな最期が用意してあったとは・・・・演技の未熟さも影の薄さもこの健気な最期で全部帳消しです。ジャニタレも要は使い所を間違えなきゃ良いってことですな。

そして貞任にもまた、その最期の時が迫ってまいりました。壮絶な戦闘を繰り返すものの劣勢では抗いがたく、哀れ敵の矢衾に晒されついに命を落とすのでした。

「経清・・・先に逝くぞ。」

貞任が死んだ事を知らず、別の場所で経清は奮戦していました。しかしこちらも奮戦空しく、敵兵に囲まれてしまいます。源義家は、経清に対し「死に場所を用意致す」と提案し、その言葉に納得した経清は矛を収め、ついに敵の手に捕えられる事になりました。

武士の情けをかけ、切腹の場を設けようとする義家に対し、父頼義は「経清は類稀なる名将だから、命を助けて源氏の家臣になるよう説得する」と言います。「いくらなんでもそりゃ無理ですよ!」と義家、「まぁまぁワシに任せとけってscissors」と頼義。意外と懐の深い頼義です。衆目の前で経清に向かい、「今までのわだかまりを捨て、ワシの家来にならぬか?」と持ちかける頼義。経清はしかし吐き捨てます。

「豚め!」

「何が武門の棟梁だ!うぬの考えていることはただの欲得のみ。ひたすら朝廷にひざまずく安倍に対して和議をぶち壊し戦を起こした張本人じゃ!何千という此度の犠牲者は、全てうぬの欲得の血祭りに晒されたのだ!兵どもの血をすするケダモノ、食い意地の張った豚め!」

「豚の家来にはならぬ!早く首を刎ねられよ!!」

さすが後年、「牡丹じゃなくて豚よ!」の名台詞を生み出した中島脚本だけあります。「豚」を見事に台詞の中で生かしています。皆さんも嫌な上司でもいたら言ってあげてください、「豚の部下にはならん!」と。(もちろん心の中でだけですよ。実際言ったら流血沙汰ですからねcoldsweats01

さすがの頼義も経清の罵倒にプッツン切れちゃいます。「なら殺してやるわ!」とボロッボロに刃こぼれした刀を更にこれでもかとばかりに岩に叩きつけ、「この刀で首を斬れ!」とあろうことか経清の元家臣、瀬田剛介に手渡します。もうこれは「首切り」じゃなく「首引き」です。ボロボロの刀ではスパンッと首を落とせません。鋸(のこぎり)のように刀を引きながらしか首は斬れんのです。

なんという惨さ・・・義家もたまりかねて止めようとします。でも頼義は聞きません。刀を渡された剛介は膝を震わし、泣きださんばかりです。そんな剛介に経清は「お前に斬られるなら本望じゃ。落ち着いてしっかり引いてくれ」と優しく声を掛けます。意を決して元主人の首に刀を当てる剛介。そのままゆっくりと刀を引いていきます。少しずつ首が斬られていくのを感じつつ、血を吐きながら経清は「引けぇぇ!引けぇぇ!」と剛介を叱咤。あまりの残酷さに「経清殿、許してくれ」と顔を背ける義家、そして眉一つ動かさず処刑を見つめる頼義。

一方、柵の中にもいよいよ清原軍が侵入し、自害するもの、逃げる者、敵味方入り乱れ大混乱。その中で結有は清丸とはぐれ、探し回る内に敵将の清原武貞(名高達男)に捕らえられてしまいます。やがて火の手が上がり、柵内が炎に包まれていきます。赤々と燃える火は遠くからでも見て取れるほど。それはまぎれもなく難攻不落の要塞、厨川が落城したことを示すものでした。柵から離れた場所でその火を見つめるのは金売り吉次(西村晃)と乙那。吉次の腕の中にはいなくなったと思われていた清丸がいます。吉次は清丸に言います。

「清丸、あの火を忘れるでないぞ。安倍は滅びてもお前は生き延びて、また新しい火をおこすのだ。藤原と安倍と我ら一族をあだない、更に大きな炎を燃やすのじゃ!」

こうして、10年にわたる安倍氏と国府との戦い、「前九年の役」は安倍一族の滅亡をもって幕を閉じました。しかし炎はまだ消えてはいません。藤原と安倍を繋ぐ小さな少年の中にその火種は確かに受け継がれているのです。

appleappleappleappleapple

というわけで第1部ついに完結いたしました。

個人的にはこの3部構成というドラマの作り方はなかなか良いのではと思います。1年という長い期間放送する大河ドラマは途中どうしても「中だるみ」の時期を迎え、視聴者も離れていく傾向があります。話を一端区切る事で次から新しい気持ちで、ということが出来ますし後々DVDなど借りるときも何話分かで区切っていると借りやすいです。1人の人物で1年もたないのなら2人、3人主人公でも良いんじゃないでしょうかね。それだと大河の題材の幅も増えるんじゃないかしら?

さて、次からは第2部となり、主役が交代します。渡辺謙氏とはしばしのお別れです。経清の嫡男、藤原と安倍の血を引く清丸、後の藤原清衡を演ずるは村上弘明氏です。時代劇界を代表する人気俳優、私も大好きな役者さんです。キャストも変わり、奥六郡も新たな展開を迎えることになります。どうぞご期待下さい。

cherry追記

続きで第1部の感想とか色々書きました。長くなったっちゃったんでお暇な方のみお付き合い下さい。down

続きを読む "大河ドラマ「炎立つ」を観る 第12話-厨川落城-"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2009年3月 | トップページ | 2009年5月 »