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2009年3月

色々大河その1 -『太平記』-

『炎立つ』を見ているのに、『太平記』も見るという無茶をしてしまったと先日書きました。が、それだけではあきたらず、ノリに任せて『独眼竜政宗』までとうとう借りてしまった私。一体『炎立つ』をレビューする気があんのか!と思われそうですが、レビューはやりますもちろん。ただちょっと遅いだけですcoldsweats01

『炎立つ』の感想だけでも手一杯なのに、とてもじゃないですが他の大河までレビューなんて出来ません。でもただ見るだけでは勿体無いくらい2作とも素晴らしく、せめて気になった人物やなんかのちょっとした感想だけでも記事にして、これから見ようとしている皆様の参考になればと思っております。ということで今日は『太平記』です。

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『太平記』は1991年に放映された第29作目の大河です。南北朝期は天皇関係の描写が多いため、色々と厄介事が多く敬遠されていた時代です。当時のプロデューサー曰く、「局内でも時期尚早であるとの意見があったものの、機が熟して取り上げられる時期が来るものでもないだろうとの判断から、本格時代劇として制作されるに至った」とのこと。いや、見事な決断です。今だったらもっと出来なかったでしょうからね。

ドラマの内容は、頑張ってわかりやすくしようとしているものの、やっぱり複雑で難しいです。ドラマを見てすぐにウィキペディアを開いて調べなくてはついてけませんでした。初心者にはなかなか理解するまでが難しいドラマかもしれません。しかしN○K松平アナ曰く「歴史とは、人間のドラマである」の如く、私達人間の日々の営みそのものが歴史なのです。そして人間とは常に矛盾をはらんだ生物です。つまり歴史とは即ち、御伽話のように理路整然とはいかない、複雑怪奇に入り組んだものとならざるを得ないのです。だから難しいのは仕方が無い。むしろ無理にわかりやすくしようとして大事な部分を端折ったり、改ざんさせたりするほうがよっぽど酷いことです。わからなかったら見てる方が調べりゃいいんです。今ならネットですぐに検索できますし、書店にはハウツー本が一杯出てるし、いくらでも情報はあるのですから。制作者側には「わからんのなら勉強せい!」くらいの気概を持って、必要以上に視聴者に媚びずにいて欲しいものです。

てことで主な登場人物の感想ですdown

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足利尊氏(真田広之)

後醍醐天皇を追い落としたってことで「悪い奴」ってイメージがついてまわった尊氏ですが、史実の尊氏は結構気分屋さんというか、アップダウンの激しい性格だったそうです。慈悲深く、度量がでっかいという評価がある一方で、戦で負けそうになると突然「俺もう腹切るから!」とか言って家臣たちを慌てさせたり、自分から後醍醐天皇に背いたくせに、いざ一触即発の状況になったら「戦はむなしいから俺出家する」とか言い出すし・・・。中世史の研究者である佐藤進一先生は「尊氏は躁鬱病かも」とか言っていたようですが(そういえば、大学のゼミの先生もそんなこと言ってたな・・・)まぁ躁鬱かどうかはともかく、だいぶ面倒くさいご気性だったようですcoldsweats01

そんな尊氏を演じるは、真田広之。ドラマの尊氏は正義感はあるけど、ちょっと世間知らずで優柔不断、足利一門の棟梁として良くも悪くも「お坊ちゃん」な雰囲気を随所に醸し出しています。イメージとしては「天地人」の妻夫木君の明るさと「義経」のタッキーの憂いを帯びた風合いを足して2で割って、「独眼竜政宗」の渡辺謙の逞しさとエネルギッシュさをプラスした感じです(←わかるかな?)。周りの役者がアクの強い人ばかりで、主人公にしては若干影が薄いです。でも真田さんの良いところはアクション養成所出身ということで立ち回りが素晴らしいのです。馬に2人乗りして柵越えやっちゃったり、流鏑馬したり・・・とアクロバティックなシーンが満載でそれが普通の役者さんより図抜けて迫力があるのでTV見ながら「おぉぉお!!」と思わず感嘆の声を挙げてしまいました。ブッキ-もなぁ・・・・こうなんか一つ抜きん出た芸があれば演技がちょいとダメでも見れるのになぁgawk

登子(沢口靖子)/藤夜叉(宮沢りえ)

尊氏に関わる2人の女性。1人は正室の登子、1人は結婚前に付き合ってて妊娠させちゃった白拍子、藤夜叉です。どちらも当時はアイドル(だったの?よく知らんけど)として人気絶頂の沢口靖子・宮沢りえが演じています。2人ともとても可憐です。「可憐」という言葉、最近とんと使わなくなりましたが2人にはこの言葉がぴったりです。沢口さんはお姫様オーラ満開です。出てくるだけでパァーと画面が明るくなります。今もそうですが華のある女優さんです。宮沢さんも同様。今より結構ふっくらしているけどそれもまた可愛らしい。最初の頃はまだ少女のあどけなさを残しつつの演技。で、子供産んだ後は母親の落ち着きと生活に疲れた感じを出していてそれがアイドルとは思えない演技で感動しました。さすが後年実力派女優と呼ばれるだけあります。この2人を見ちゃうと申し訳ないけど長沢まさみたんも相武紗季ちんもアイドル女優止まりというか先細りの予感が・・・bearing

佐々木道誉(陣内孝則)

『太平記』のファッションリーダー佐々木道誉。バサラ大名、「花の慶次」で言うところの「傾奇者」ってやつですね。とにかくやることなすことなんか派手。彼の衣装だけいつもパリコレです。そしてすんごく偉そう。これだけ聞くとなんか嫌な奴に聞こえますがこれが逆にカッコいいと思えてしまうから大したものです。見た目からもうアクの強さを発揮している陣内孝則さんの佐々木道誉は、彼のキャリアの中でも1,2を争うハマリ役ではないかと思います。今日は北条方におべっかを使ったと思えば、明日は朝廷側に協力する、敵か味方かわからない彼独自の美学に基づいて行動する姿勢は尊氏とは一線を隔したダーティーヒーローとしてドラマを引き立てています。私は道誉の衣装と変人っぷりがとても好きで、いつのまにか彼が登場すると「DO・U・YOheart04」とTVの前で手を叩いて喜んでしまっていました。

後醍醐天皇(片岡孝夫(現:片岡仁左衛門))

セクシー帝、後醍醐天皇。演ずる片岡孝夫(現片岡仁左衛門)さんは、上方歌舞伎の花形です。その流麗で気品のあるお顔立ち、歌舞伎で鍛えた所作は天子の風格を存分に発揮しております。そりゃ尊氏だって道誉だって帝に惚れちゃうよ。倒幕を企てたものの、六波羅軍に見つかって捕えられたとき、私もついつい「あぁぁ帝が・・・・crying」と哀しんだものです。気付いたらいつのまにやら「GO・DA・I・GOheart04」とTVの前で手を振っておりました。ちなみに後醍醐天皇はとっても子沢山です。そんで息子たちを全国各地に派遣させて各地の武士たちに挙兵を促しました。私の故郷、長野にも宗良親王という人が来ています。アクティブファミリーですね。

appleその他、気になった人々

北条高時(片岡鶴太郎):怪演です。

長崎円喜(フランキー堺):フランキーさんの演技を初めて見た。

長崎高資(西岡徳馬):徳馬がこんなところにもいた!

足利貞氏(緒形拳):ナチュラルな演技なのに存在感抜群。

清子(藤村志保):今川氏は足利氏の分家筋だそう。「太平記」では足利尊氏の母、「風林火山」では今川義元の母。なにかご縁を感じる話だ。

楠木正成(武田鉄也):「忠臣」の鑑として崇められた正成。武田鉄也さんの正成は田舎に住んでる気のいいオッサン風味で武将っぽくないです。だがそれが良い。

文観(磨赤児):似合いすぎてて逆に怖い。前世は文観だったんじゃないのかしら?立川流というとんでもない宗教立ち上げた人。

北条守時(勝野洋):登子のお兄ちゃん。勝野洋さんの渋い演技が光ります。今年の大河はこの手の中堅どころの役者さんが少なすぎる。男は30過ぎてからが華だ!

北条貞顕(児玉清):アタックチャァアンスsign03

他にも素敵な方たちがたくさんいますが、きりが無いのでこのあたりで。それとOPテーマが良いです。序盤の雅楽っぽい曲調が南北朝の不安定感を出していてワクワクします。『炎立つ』『太平記』と立て続けに見たおかげで、今、中世前~中期の時代が自分の中で猛烈に「来て」いますshine

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21世紀最高傑作大河を偲ぶ。

大学時代の友人が東京から京都に遊びに来てくれました。

で、大河ドラマ好きだけど既に『天地人』を断念してしまった彼女に、まだ見ていないという『風林火山』をお勧めして、私の家で7話まで鑑賞。

以下彼女の感想。

 

 OPの音楽が疾走感があってカッコいい。

 カメラワーク・照明の使い方が素敵。

 テリー伊藤がスゲェ。

 仲代達也の信虎が狂気じみててイイ。

 伏線の貼り方が見事。

で、友人と私の間の総論。

 『天地人(つまぶっきー)は駄目だこりゃ。』gawk

 

実は私自身も最初の頃の回は何回か見逃した回があり、いつかはもう一回見直したいと思っていたので友達の上洛は渡りに船。引越しして液晶TVを買って画質がグレードアップしたところで再びの視聴です。いやはやおもしろいですねぇ『風林火山』。7時間くらいぶっ通しで見ちゃったのですが、友達も私も一気に見ちゃいました。見終わって友達が「OPの音楽が頭を離れない」と気に入ってくれたようで私も嬉しい気持ちで一杯ですたいlovely

ホームドラマ風が多かった21世紀の大河に、これだけ泥臭く、ドラマティックな作品が現れたことにまだまだ大河も捨てたモンじゃないな、と思ったものです。2年経った今でも私の中で色鮮やかな記憶をとどめる『風林火山』です。

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大河ドラマ『炎立つ』を観る -第9話・第10話(+第11話)-

間に山城話やら、徒然日記を挟んでしまい、私もちょっぴり忘れかけていた『炎立つ』ですが、ラスト4話です。予告どおり2話ずつレビューしたいと思います。わからない名前や地名は前回の補足のページの地図を見てくださいね。ではでは、参ります。

2009.3/19にこの記事をUpしたのですが、後日確認したところ、第10話として書いていた後半部分が、実は次の第11話『血戦』での出来事ということが判明致しました。どうやら第11話の内容も第10話に含めて書いてしまっていたようです。2話ずつレビューが急遽3話分をまとめてレビューという形に変更させて頂きました。侘助一生の不覚、お詫びのしようもございませんbearingどの辺りから第11話になったか気になる人はT○UTAYAで本編借りて確認してくださいねshine(←ちゃっかり宣伝かいsweat01

第9話 -密通-

前回で、ボロ負けした「黄海の戦い」から更に5年。源頼義は早や2期目の陸奥守赴任となりましたが、兵力も少なく、以前のように安倍に偉そうな態度をとれません。安倍が衣川を越え、国府の領地に対して年貢の取り立てを実施しても「何も言えねぇ」(←わかるかしら?このネタsweat01)です。もうちょっとで任期満了の時期。なんとか安倍を倒して汚名返上、名誉挽回と行きたいのですがとても兵力が足りません。そこで目を付けたのは奥六郡と境を同じくする出羽山北郡の俘囚、清原氏です。安倍氏に匹敵する勢力の清原氏を味方につければ、劣勢を挽回できます。というわけで息子の義家を清原のもとに遣わして助力を仰ぐのですが、結果はなしのつぶて。義家は何度も足を運んでお願いしますが、家臣の吉彦秀武(きみこのひでたけ)(蟹江敬三)が応対するだけで、当主にさえ会わせてくれません。清原氏の軍勢は1万。安倍を討伐するためには清原氏の加勢なければ到底無理です。必死のアプローチもなかなか「YES」の返事がもらえず苛立つ頼義・義家親子なのでした。

それでも諦めず一生懸命お願いに出向く義家に、吉彦秀武は「味方に付きたいのは山々だけど、安倍と戦うには勝つための材料がないとね。」と言って、さる人物に引きあわせます。その人とは金為時(こんのためとき)。実はこの方、安倍貞任の妻、流麗(財前直見)のお父上なのです。金氏は安倍氏とも縁戚関係がありますが、為時の兄は頼義軍に味方してたり、自身は吉彦氏とも知り合いだったりと方々に御縁を結んでいます。初めて流麗に会ってから早や10年、その間義家は流麗が忘れられなかった模様。そんな義家に「流麗は実家に戻ってきている」と告げる為時。「久しぶりだし会いに行ってみたら?別に個人的に行く分にはかまわないんじゃない?ねぇ為時殿?」「ん~そうだねぇ、会うだけなら別に。ま、ワシ見なかったことにするからお好きにどうぞ。」などと言って焚き付ける2人。恋の病には勝てず、流麗に会うことにした義家。いやはや悪いですねぇ2人ともcoldsweats02

真夜中に人目を忍んで為時の館で再会する義家と流麗。流麗もまた義家のことを忘れてはいませんでした。貞任との夫婦仲は完全に冷え切っており、そこにきて若い義家からの一途なアプローチ。ときめかないはずはありません。そ・し・て、思いあった男女が『ただ会う』だけで終わるはずがありません。サブタイトルの通り、『密通』しちゃったんですねheart02いやはやえらいことです。かたや源氏の御曹司、かたや敵方の人妻。青年と人妻の許されぬ恋・・・あれ?どっかで似たような設定が・・・あ!『天地人』だ。直江兼続とお船も今のところそんな関係だ。でも『炎立つ』のほうが100万倍ドラマティックです。このあたりはさすが『真珠夫人』『牡丹と薔薇』の脚本家、中島丈博氏です。人間の情念を書かせたら「ラブコメ大河」では到底太刀打ち出来ません。

かくして流麗との不倫により、図らずも安倍一族内部から内通者を出す事に成功した義家。この材料のおかげで清原氏側も俄然色めき立ちます。出羽山北郡を預かる清原氏としては安倍氏がこれ以上勢力を拡大することを快くは思っていません。あわよくばこの合戦に乗じて安倍を滅ぼし、陸奥での支配権を強めたいと思っています。安倍氏の敵は朝廷だけではなかったのです。一族の結束を強みとしていた安倍氏に、綻びを見た清原氏は頼義側に加勢することを決断しました。

-隣国の清原が頼義側に付いた

知らせはすぐに安倍側にも伝わります。土地勘のない頼義ら坂東武者に比べ、清原氏は冬の合戦にも慣れています。強力な敵の参戦により、安倍も大混乱。いよいよ前九年の役最後の合戦の火蓋が切って落されたのでした。

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第10話 -衣川撤退- / 第11話 -血戦-

清原氏の参戦で俄然強さを増した頼義軍。朝廷側は頼義の任期満了に伴い、新しい国司を派遣しますが、頼義は安倍と臨戦状態ということで国司を都に帰させ、清原軍1万を引き連れ奥六郡に出兵します。この帰された国司を『風林火山』で北条氏康を演じた松井誠氏がやっています。若いし、今より痩せてます。で、国司の付き人としてなんとくりぃむしちゅーの上田竜也が出ています。このシーンはえらい吃驚しました。「何故いる!?」昔の大河を見てると今の人気俳優とかがまだちょい役で出演してたりしてそういうの探すのもおもしろいです。

一方、安倍側も本格的に合戦を覚悟し、一族総出で作戦会議です。ところが相手は同じく俘囚の清原一族。頼義軍だけなら簡単にやっつけられますが、土地に詳しく、冬の合戦にも慣れた清原軍は、どこから攻めてくるか検討がつきません。兵をどのように分散させるかで意見はなかなかまとまらず、あーだこーだ言い合ううちに3日も過ぎてしまいました。3日目、ついに経清(なんか久々に出てきたなsweat02一応主人公ですからね、皆さん。)がある策を思いつきます。

-安倍氏の拠点である衣川から撤退してはどうか-

これは例えるならば、本土決戦に向けて首都東京を放棄して信州の松代に大本営を移そうとしていた旧陸軍の作戦のように、あえて衣川を捨て、敵を奥六郡の奥深くにおびきよせることで長期ゲリラ戦を展開させようということなのです。(例えわかりますかね?coldsweats01)戦が長引けば敵も消耗します。更に、衣川にあえて敵の侵入を許す事で周辺の柵(小松、河崎etc)から兵を出し、敵を挟み撃ちにすることも出来るのです。作戦が決まりました。本陣も奥六郡の最奥、厨川の柵に移すことに決定。早速女子供一族郎党を厨川に移動させます。住民も周辺に移し、衣川はもぬけの殻。貞任・経清らは河崎の柵に篭り、頼義軍が衣川に入ったと同時に討って出る算段です。

ところがどっこい!経清の策は破られたのです。頼義・清原軍は衣川に侵入せず、貞任・経清の篭る河崎の柵に全軍で攻め入ったのです。思いもかけぬ敵の攻撃に安倍軍は浮き足立ちます。まともに戦うことも出来ず、なんとか衣川の安倍館に逃げ込むのが精一杯でした。一体どうしてこんなことに・・・何がなんだかわからない貞任達に三男宗任が流麗の父、金為時が逃げる途中でいなくなったことを告げます。貞任はこの為時から合戦が始める前に経清が黄海の戦いの際、敵将の頼義・義家親子を見逃したことを聞いており、心の内では先の作戦失敗は経清が敵に情報を漏らしたのではないかと疑っていました。が、逃げ篭った安倍館でなんと妻の流麗と遭遇したのです。女子供は皆、厨川の柵に移ったはず。いるはずのない妻が何故ここに・・・・貞任はそこで気付くのです。内通者は経清ではなく、自らの妻であったことを。流麗は衣川撤退の策を父である金為時に伝え、自らも敵方の義家と落ち合うため、厨川の柵から抜け出してきたのです。

「私を殺して下さい!こうなった以上、生きてはいられません。私がここで誰を待っていたかおわかりですか?源義家様です!」

狂乱する流麗のその言葉に貞任はついに、自らの手で妻を刺し殺します。館に火を付け、衣川を後にする安倍軍。そこに頼義の軍勢がやってきます。義家は逃げる貞任達に遭遇し、貞任から血のついた着物を投げつけられます。それはまさしく死んだ流麗のもの。燃えさかる安倍の館を見て流麗の死を知る義家。渦巻く炎が流麗を、そして安倍一族の繁栄をも包み込み、燃やし尽くしていくのでした。

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いやはや大変なことになってまいりました。終盤にかけてのこの怒涛の展開、『スイ-ツ大河』ではできないバイオレンスな演出、『スゴイ!』の一語につきます。こういう切迫した事態で顕わになる人間の本性にこそ、私はドラマを感じてしまうので、できればお涙頂戴に逃げずにこういう魂のぶつかり合いをもっと描ききって欲しいな、と昨今のドラマに思うこの頃です。

レビューに書ききれなかった部分で素晴らしいシーンがあります。第10話で合戦が始まる間際、江刺の経清の館に義家がお忍びで訪ねて来ます。黄海の戦いにて見逃してくれた礼をしたいということでした。わずかな共だけとはいえ、敵陣のど真ん中に行くのです。その度胸に経清も驚きます。武士である以上、戦うことは避けられぬ宿命。ひとたび戦になれば己の心に迷いがあってはならない、だから戦の前に助けてくれたことの礼だけは言いたかったと話す義家。経清もまた言います。あの時見逃したことをその後何度も何度も悔いた、と。

「敵の館に来て、殺されるとは少しも思わなかったのか?」と問う経清。

「思わない。貴方はそんなことをする人ではない。」と答える義家。

裏のない、まっすぐな言葉に経清は自分の刀を差し出します。「持って行ってくれ」と。そして義家もまた己の太刀を経清に渡します。

このシーンにはとても惚れ惚れしました。なんと見事な男達なのだろう、と。敵同士です。互いに思うところがあるでしょう。しかしそうした感情を越えたところで互いを認め合う度量、これが「武士の心意気」というやつなのでしょう。ググッときました。

義家の行動や言動は少年漫画の主人公のようにどことなく「青臭い」雰囲気があり、一歩間違うと「クサイ芝居」と言われてしまう危険性をはらんでいますが、佐藤浩市さんの義家にはまったくそれを感じさせることが無く、むしろ陰謀渦巻く周囲の状況の中、それでもなお「武士の正義と美」を追い求めようとする姿勢に清々しさを覚えます。佐藤浩市さんはその容貌からか、割とニヒルな役が多い気がするのですが、このちょっと斜に構えた容姿と実直な性格というギャップが、逆に義家というキャラクターに説得力を持たせたのではないかと思います。ドラマを見続けるうちに、私はすっかりこの義家のファンになってしまいました。来週から『天地人』をCHANGEして『義風堂々-八幡太郎義家伝-』にでもしてくれたらTVにかじりつい見てしまうと思います。

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在りし日の山城 2008春

  ブログをやる前にmixiで書いていた日記の一部をこちらに載せようと思います。

このまま無くすのは惜しいかな、と思う山城の紀行文があったので。山城めぐりは昨年春頃から本格化しました。季節を選ぶ趣味なので今はまだ寒くてお休み。春頃にまた目星をつけて行ってみようと思います。

2008/5/5 『天空の城』 

ラピュタじゃないですcoldsweats01

私が山城好きであることはこの日記を御覧になってる皆さんは薄々感づいていると思われますが・・・そうです私は無類の山城好きです。

職場でも山城好きなOL(?)としてそこそこ知られてます。

GWにまとまった休みが取れたのでかねてから念願だったとある山城に行ってきました。兵庫県にある竹田城というお城です。

その日は天気がとっても良く、本丸からの眺めが大変素晴らしかったです。私にとって山城の醍醐味は、なんと言っても頂上からの景色でして、360度の大パノラマに疲れも吹っ飛ぶくらいの感動でした。

大抵の山城は城跡が残ってるか残ってないのかわかんないのが多いですが、このお城は石垣がかなり残っています。この石垣がまた大変に素晴らしく、見た瞬間「東洋のマチュピチュだ」とかなんとか一人で悦にないってはしゃいでしまいました。

気が付けば小一時間もの間、やれ写真だ、昼食だと居座って満喫してました。こんな素敵な景色がほとんどタダ(交通費のみ)で体験出来るなんて・・・山城の魅力の一つです。

大変有意義な時間を過ごせました。

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chickchickchickchickchick

2008/5/7 『蕎麦の城』

竹田城に行ったその足でそのまま出石という町に行きそこで一泊しました。

出石はお蕎麦が有名だそうです。 全然知らなかったんですが出石は信州上田藩主仙石権兵衛が後に転封して治めたそうで、お蕎麦はその権兵衛氏が広めたそうな。長野出身の私にも中々御縁がありますね。

観光客が結構一杯いましたが、皆さん大体蕎麦を食べて出石城を見て帰って行きます。けど・・・山城マニアの私はそれだけじゃあ終わりません! 私の真の目的は出石城の真後ろにそびえたつ山 。その頂上にあるは山城、有子山城。 2日連続での登頂ですがなんのその!いざ行かん

その日はあいにく朝から雨の降りそうな空模様。時間は11時を少し回ったところ。天気予報では午後から雨急がねば・・・。 竹田城はそこそこ有名なために多少山道が整備されていたのに比べ、こちらのお城は山道だか獣道だかわからない有様coldsweats02

途中勾配がきつすぎるのでロープが下がっている場所もあり、クリフハンガーばりのスリリングな展開を味わいつつたった一人で登頂です。前も後ろも人っ子一人来やしない。「それでも男ですか!軟弱者!」ですよホントに・・・。

登り始めて40分程。なんとか本丸に到着です。まだ雨は降ってません。間に合った 。曇り空ですがなんとなんとすばらしい景色sun

出石って観光地ですけどやっぱ田舎って感想を持ちました。最寄の駅までバスで30分とかだし、出石城の周辺だけはちょびっと栄えてるんだけど他は田んぼと山。私の実家みたいです。 そういうのが頂上からだと一目瞭然。敵が来てもばっちりわかっちゃう見晴らしの良さです。

標高は300mくらいはあるんでしょうか。登るのにも一苦労なお城だから攻めるなんてまた至難の業でしょう。でも落城しちゃうんですよね、これが。そう考えると昔の人ってすごいですよね。よくやるわ、ホント 。

というわけで一泊二日の山城巡りは新緑を愛でながらの大層満足な旅でした。

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こんな大河を見てみたい★

人様のブログを覗いて見ると、「大河ドラマで取り上げて欲しい歴史人物」という話題がちょこちょこあり、私も思うところが少しあるので希望を書いてみたいと思います。

希望その1 

長曾我部元親・盛親親子

原作:司馬遼太郎『夏草の賦』『戦雲の夢』

四国土佐の小大名、長曽我部元親とその子盛親。2代に渡る長曽我部家の栄枯盛衰を描く。前半では四国統一、果ては天下統一を目論む元親の国盗り物語と秀吉の四国出兵により天下への夢潰えるまで。後半で息子盛親が関ヶ原で西軍に付き、領地没収。長い浪人生活の末、大坂夏の陣に自らの命運を賭けるに至るまで。

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四国は『功名ヶ辻』でも取り上げられたけど、山内一豊・千代夫妻はもともと本州の生まれで土佐に入国したのは晩年になってから。だからドラマでも土佐は最後のほうにちょびっと出てくるだけ。その一豊が来る前に土佐を治めていたのが長曽我部家。ローカルネタだけど四国の歴史って意外と皆知らないと思うので勉強になると思います。原作の2作もとてもおもしろいし、ドラマも元親・盛親の2代に渡って描く2部構成にしたら中だるみが少なくていいかも。なにより「長曽我部」って名字が良い。長曽我部・・・・周りにいますか?長曽我部なんてお名前。名字に4文字も使っちゃうんですよ!カッコいいったらありゃしないhappy02

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希望その2

  島左近 を巡る人々の人間模様

原作:司馬遼太郎『関ヶ原』

大和の豪族筒井順慶の家臣としてその名を諸国にとどろかせた島左近。勇猛果敢にして知略に長けた軍師は順慶死後、筒井家を退官し流浪の身となる。老いた猛将が人生の最後に主君と仰いだのは、権謀術数蠢く乱世に「義」を唱える青二才、石田三成であった。

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軍師もの第3弾。組織のNo2というのは魅力ある人が多いけど、キャラとして動かしやすそうな人物はこの島左近ではないかと思います。大河の題材は知名度とか視聴率とか色々な制約の中で選んでいかないといけないのでそう考えていくと人物も限られてきます。島左近は知名度はほっとんどないですが、実は上手くやれば大河に出来るのでは、と私は睨んでいるのです。以下その理由を。

①史料が少ないため、島左近の情報が乏しい。なので比較的創作しやすく、自由に描ける。筒井氏自体も田舎の小豪族なので重臣と言ってもそれほど大層なご身分じゃないはず。「信長に会って来る」とかなっても演出を考えれば割合許されると思う。

②舞台になる大和(奈良県)・近江(滋賀)という場所は、京都や安土、大坂などにも近いので有名人に接触するエピソードが書きやすい。また時代も戦国末期。信長・秀吉・家康の3人に加え、松永彈正、一向宗、三好三人衆他有名どこからマニア向けの人材まで多彩に取り揃えられる。

④ゲームで取り上げられてたり(戦国○双)、マスコットキャラになってたり(しまさ○にゃんとか)、知る人はそこそこ知っている。所謂歴女層(笑)の受けが良い。

⑤島左近にベテランを、石田三成に若手有望株を配せるので配役に偏りが少ない。

⑥日本人が好む「滅びの美学」のエッセンスを持っている。左近が三成に仕官したのは晩年にさしかかった頃。老後を若い主君のために生き、最後に「死に花」を咲かせるあたり、団塊層のハートを掴める筈。

⑦滋賀県の観光誘致が出来る(侘助は12月から滋賀県民です

司馬遼太郎の原作『関ヶ原』は題名通り関ヶ原合戦を中心にしているので、前半部、筒井家に奉公していた時代は脚本家に創作してもらって、中盤から終盤にかけては三成との主従関係、関ヶ原に至る攻防戦を描けばいけるんじゃないかと。「風林火山」も原作はページ数無いのに1年持った。脚本家が頑張れば出来る!しかし問題点もあります。以下それをdown

①そうはいっても知名度が・・・・・。

②要はおじいちゃんが頑張る話なので、ビジュアル的に受けるのか。

③島左近はロ○コンの気があったという説

主に③ですね、問題はcoldsweats01でもでもその辺はオブラートに包めば(子供好きheart04とかね。物は言いようだsweat01)大丈夫だと思うんですがいかがですかね?ついでに配役とかもちょっと考えてみたのですがdown

スタッフchick

脚本:大森寿美男←(「風林火山」よもう一度)

演出:お堂爆発させたり、スポットライトをむやみに使わない人。

主な出演者chick

島左近:渡辺謙

→ここはもう「ラスト・サムライ」にお出まし頂くしかない。

石田三成:伊勢谷友介

→「白洲次郎」で見せた目力とプリンシプルに石田三成の「義」を見た。彼なら何かやってくれる気がする。

筒井順慶:30代くらいの演技できる人。早死にするのでそこそこ若くてよい。

織田信長:阿部寛→ドンと来い!島左近!

豊臣秀吉:秀吉っぽい人。

徳川家康:佐藤慶→意外と似合う気がするのだけど。悪役の存在感は源頼義で実証済み。

本多正信:清水紘治→絶対似合うと思う。佐藤慶とセットでなら悪さ加減も倍増。

こういうこと考えるのって楽しいですねhappy01

今年末は「坂の上の雲」、来年は「龍馬伝」、再来年はどうなるのかしらんwobbly

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思うこと色々

たまには日々の徒然についても。

最近、「歴女」ブームらしい。なんでも小説とかゲーム・ドラマに出てくる歴史人物を好きになってゆかりの土地に足を運んだり、グッズを集めたりする女子のことだとか。

私は歴史人物のエピソードとか人となりとか結構どうでもよくって、家臣団の権力構造とか当時の土地制度、それから政治政策、軍事戦略とかどっちかって言うと社会的な部分に興味があるのだけど・・・・あと「山城」とかね。そういうのも「歴女」に含まれちゃうのかしら?てことは私も「歴女」?・・・・・・正直複雑な心境ですたいsad

あとどうでもよいのだけど「タモリ倶楽部」で山城を取り上げて欲しいと思った。鉄道とか水門とか工場とかの特集やってたから「山城」もいけると思う。タモさん頼んます。

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T○UTAYAのレンタルが100円という破格の超特価だったため、『炎立つ』を見ている途中なのに『太平記』も借りるという無茶をしてしまった。日曜8時、『天地人』が始まるのと同時に『太平記』を再生させ、我が家のみ2009年大河を『太平記」にさせるという手段(笑)

クレジットに「時代考証:永原慶二」となっていたのを見て、なんかちょっと感動した。大学時代この人には大変お世話になった。永原慶二・佐藤進一・竹内理三・黒田俊雄etc・・・・中世史の論文を読むと、必ずと言っていいほど先の先生方の説が引用されていた。私の小さなお頭では半分も理解できない内容だったってのが悔しい。今ならもう少し理解できるのだろうか。もう一度きちんと読み直したいな、と思うこの頃。

ドラマは陣内孝則が演じる佐々木道誉がやたらカッコいい。「おいしい役」というのは彼のためにある言葉だと思った。南北朝期の歴史は複雑怪奇で難しいけどこのドラマは是非見て欲しい。勉強にもなる。私も勉強しよう。

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大河ドラマ「炎立つ」を観る -第1部完、その前に-

『炎立つ』は大河では珍しい3部構成になっております。その第1部がラスト4話、いよいよドラマも佳境に差し掛かってまいりました。

レンタルのDVDは大体4話くらい入っています。いつもはブログで感想を書くので1話か2話ずつ見る形で進めていましたが、ラスト4話は途中で止めることが出来ず、一気に見てしまいました。ということでラスト4話は2話ずつまとめてご紹介いたします。

でもその前にちょっと小休止。最近ずっと『炎立つ』の感想を書いていますが、読んで頂いている皆様方ほとんどがもうわけわからんとお思いだと思います。戦国時代と違い、平安後期、しかも源平合戦ならともかく「前九年・後三年の役」なんて日本史勉強していた人だって恐らく忘却の彼方の出来事だと思います。私もそうでした。そこで第1部完結に向け、『炎立つ』を100倍楽しんでいただくため、T〇TAYAにDVDをレンタルしに行こうと思っていただけるように、ちょいとここらで補足説明をさせていただきたいと思いますcherry

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まずは安倍氏の系図を。安倍頼時は子沢山。なのでこの系図を見ればこんがらかった人の名前も一発OK!左図は安倍氏の系図。右図は安倍氏・清原氏・藤原氏を含めた関係図です。

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次に奥六郡の地図です。奥六郡は現在の岩手県奥州市から盛岡市にかけての地域一帯に当たります。岩手・志和(しわ)・稗抜(ひえぬき)・和賀(わが)・江刺・伊沢(いさわ)の6つの郡の総称が「奥六郡」です。この広大な土地を安倍氏が全部任されていたというから安倍氏の隆盛がおわかりいただけるのではないでしょうか。赤線で囲まれた部分が「奥六郡」です。

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Photoでもって安倍氏は奥六郡内に「柵」と呼ばれる独自の防衛拠点をいくつも作って国府の侵攻に備えていたのです。

各地の「柵」の位置は図の通り。頼時は各柵に息子たちを派遣させ、防衛に当たらせました。息子たちは各柵の名にちなんだ名前で呼ばれることもあります。

3 上の図はちょっと細かすぎるのでもうちょっと簡略化したのを(左図)。

源頼義・義家親子はこの「柵」を次々と打ち破っていくのです。

こんな感じの補足ですが、地図と家系図を見ていただければある程度イメージが沸くのではと思います。

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大河ドラマ『炎立つ』を観る 第8話-黄海の戦い-

第8話-黄海(きのみ)の戦い-

安倍氏についた経清。多賀城にいた結有、菜香も乙那の計らいで衣川の館に無事戻ってくる事ができました。しかし経清の義理の母、妹は館に残ったまま。そこに頼義軍が攻めてきて2人を慰みものにし、母子は散り散りに。義理の母は女郎部屋に身をやつすことに。経清の従者で頼義側に残った瀬田剛介が女郎部屋でこの義理の母に出会うのですが、ここのシーンはすんごく吃驚しました。えぇぇ!経清何やってんのアンタはさぁannoy生首とか晒し首とか『炎立つ』はショッキングシーンが満載ですがこの義理の母子のその後もかなりショッキングです。今のように捕虜や人質に対して人道的な配慮なんてないんですよね。恐ろしい時代です。戦の暗部をがっつり見させてもらいました。大河で「戦争反対!」を掲げるならやっぱこのあたりの負の部分をしっかり描かないといかんですよ。

経清の仲間入りに安倍側は大変好意的に迎え入れてくれました。犬猿の中と思われた貞任も経清に抱きついて喜びます。貞任は武骨で短気だけど良い所は良いと認められる度量があってやっぱいい奴です。そんな2人の熱い友情劇を遠目から見る吉次と頼時、荒くれ者の貞任には手綱を引く者が必要、経清と貞任2つの小さな炎がやがて陸奥に大きな炎を巻き起こす、まさに『炎立つimpact』。2人の黄門様も彼らに大きな期待を寄せています。

一方頼義は安倍征伐に向けて着々と準備をすすめています。「攻め入るのは冬」。なんと坂東武者には不慣れな冬の合戦を敢えて仕掛ける作戦に出たのです。「早く冬が来ないかなぁ~heart04」と家臣一同だぁれも負けるなんて思ってません。皆が皆戦の準備でウキウキしてる中、1人息子の義家(佐藤浩市)だけは浮かない顔。義家は頼義に尋ねます。

「此度の戦に義はあるのですか?」

阿久利川の自作自演騒動から半年、義家なりに色々考えてみたようです。「安倍に非はなく、父上達が無理やり戦を仕掛けているだけなんじゃないか?平和を乱すことを武士がして良いのか?自分は父上を尊敬している。なのに父上自らそんな武士にあるまじき行為をするなんて・・・・」

真っ直ぐな義家の意見に頼義は「源氏の名を世に知らしめるため、これはひいてはお前のためでもあるんだ!」と反論。そして「お前は心が美しすぎる。政治は汚い事もしなくちゃならんのだ。泥にまみれる事を恐れちゃいけない。」と諭します。その言葉にツーと涙を流す義家。武士の「正義」と父への「敬愛」の間で揺れる心がこの一筋の涙に凝縮されていました。そんな清しい涙に私も思わずホロリweep。そう、涙は耐えず流すものではない。我慢して我慢して、そしてもうどうにもならなくなったときに流す涙にこそ、我々は感動を覚えるのです。「男は涙を見せぬもの」は「それでも流れた涙こそ本当の涙」の裏返しなんです。毎回毎回ポロポロ泣くよりも、ここぞという時までとっときなさい。わかったか兼続!あんまりひどいなら義家とCHANGE だぞ。まったくもうpout

安倍側もまた戦の準備に余念がありません。そんな所に出羽の俘囚清原光頼が頼時を訪ねてきます。光頼は安倍一族の中で仁土呂志(にとろし、現在の青森県東部地方)を治める安倍富忠が叛旗を翻そうとしているとの情報を頼時に伝えます。一族内の不和は頼義側に付け入られるもととなる、とこの富忠をなんとかしようと頼時自ら光頼と共に仁土呂志に向います。富忠軍はそんなに強くなく、チャチャチャッとやっつけたのですが、ここでなんと頼時が伏兵の流れ矢に当たり、重傷を負ってしまったのです!なんとか三男宗任の守る鳥海(とのみ)の柵までたどり着きますが、傷は重く、駆けつけた家族一同に「頼義と戦争になっちゃったけど安倍の方から攻め込むようなことをしちゃいかんぞ!」と言い残し、なんとなんとそのまま帰らぬ人に。黄門様は東北の地でお隠れあそばされてしまったのですweep

頼時の死亡を伝え聞いた頼義は家臣の藤原茂頼(清水絋治)に「富忠を謀反に走らせたのは頼義が手を回したってことで朝廷に報告しとけよ。」と手柄捏造。ふてぇ奴です。でもそこは佐藤慶なのでなんか納得させられてしまいます。すごい役者です佐藤慶。頼時の死によって安倍の一族内も浮き足立っているはず。時は来た、敵は衣川にあり!てことでついに頼義軍出陣。兵の数は3,000程。当初の予定通り、敢えての雪中行軍です。

ところがどっこい。自然の脅威はあなどれません。覚悟の上の雪の進軍だったのですが、想定外の猛吹雪でにっちもさっちもいかなくなります。猛吹雪の中、慣れない進軍にドッタバッタ倒れていく家臣たち。「こんな吹雪じゃ自滅する。引き返しましょう」と義家がたまりかねて言えば「バッカヤロー!何もしないで帰れるかっつーの」と頼義意地の発言。ここのシーンはすごいです。ホントに猛吹雪なんです。CGじゃないかとよくよく見てみてもやっぱり本物の雪に吹雪。前も後もほとんど吹雪で見えなくなっていて、よく撮影したなぁと思います。撮影時にスタッフの2,3人、エキストラの4,5人くらい行方不明になったんじゃないかしらwobblyそれくらい迫力があります。ここのシーンだけ言えば映画『八甲田山』を越えたと私思います。だって本当に凄いんだもん。感動しました。やっぱロケだよ、CG処理なんてぬるいことやってちゃいかんよ。

そうこうしてるうちに、前方から敵影が!吹雪の先に安倍貞任率いる1軍が疲労困憊の頼義軍に襲い掛かってきたのです。雪に慣れた安倍軍、吹雪の中でもなんのその、馬を走らせ頼義軍の武将たちを次々と討ち取っていきます。防戦一方の頼義軍、3,000いた兵も最終的には10騎残るか残らないか。先祖の代から仕えてくれた家臣たちをほとんど無くし、男泣きする頼義。うなだれる頼義に息子義家が叱咤激励、父に代わって孤軍奮闘します。なんとしてでも敵中突破せねば・・・と手下に命じて安倍軍の甲冑衣装を分捕ってくるとそれに身を包み、安倍の者に成りすまして退却を敢行。エッチラオッチラ雪をかきわけ逃げる頼義たち。とそこにまたしても敵の騎馬隊が!しかも経清の軍!平身低頭して道を開け、安倍の者のように振舞う頼義たち。しかし経清はその中にかつての従者瀬田剛介の姿を見て取り、そして目の前でひれ伏す2人が頼義・義家親子である事にも気付いてしまいます。絶体絶命の大ピンチ。しかし経清は何を思ったか「新しい主を大事にせよ」と剛介に声をかけ、その場を去ってしまいます。

すんでのところであろうことか自分を裏切った部下に命救われた頼義。屈辱に体震わす頼義と経清の振る舞いに感じ入るものがあったのか、尊敬の眼差しでその後姿を見つめる義家。

頼義軍にとってかつてないほどの敗北を記した「黄海の戦い」はここに幕を閉じたのでした。

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安倍の頭領頼時の死、吹雪の中の合戦シーン、今回も盛り沢山の内容でした。

経清の見逃しをどう捉えたら良いのでしょうか?私は「武士の情け」というやつなのかしら?と最初思ったのですが、これはもしかしたらかつて鬼切部の戦いで平繁成を殺さなかった件と同じ効果を狙っての事なのかとも思いました。頼義を殺してしまえば完全に朝廷に矢を向ける事になります。でも今回の戦いも頼義側から攻めてきて、安部は衣川を越えていない。安倍はあくまで攻め入ってきた頼義を退けただけ、としとけば悪いのは頼義達なんで後々なんかあったら言い逃れできるのかな、と。朝廷も武士の台頭を快く思っていないので頼義-朝廷ラインがしっかりと結びついているわけではないし、色々と借りを作っといた方がいいのかな、なんて胸算用があって見逃したという風にも考えましたが真相は薮の中です。でもこの見逃しが後の安倍氏の悲劇を生むのだから皮肉なもんですdespair

今回気になったのは双方の軍の甲冑です。私は甲冑に全く詳しくないので浅い知識と見た目の印象だけの感想なのですが、頼義達、所謂「武士」ですね、この頃の武士の甲冑って隙間が多い気がします。室町後期に入ると胴丸という胴全体をしっかり覆い、しかも動きやすいという実戦的な甲冑が登場しますが、それに比べると重たそうだし、隙間が多いので攻撃しやすそうですし、装飾が綺麗なわりには機能的でないような気が・・・。雪の中歩いてるシーンも甲冑が邪魔してるように見えました。反対に安倍の甲冑は体にフィットしていて動きやすそう。その上、甲冑の上から毛皮を羽織り防寒対策もばっちり。風土に合わせた機能的な甲冑でこっちの方がカッコいいな、なんて見てて思っちゃいました。

頼義達の甲冑見ていると、オシャレのために寒くても生足出して頑張る女子高生たちを思い浮かべてしまった・・・。ほんと寒そうだったbearing

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大河ドラマ「炎立つ」を観る 第7話-経清決断-

第7話-経清決断-

安倍に付くか、頼義に付くか。冒頭から人生の岐路に立たされた経清。悩みに悩みまくっています。経清は言います「家を守らなくちゃならん」。前近代は「個」ではなく「家」の時代です。個人の意見より「家」が第一とされた時代です。家の存続のためなら養子をとるとか当たり前の時代です。だから家がなくなること、それはある意味大罪でもあるのです。だから経清は悩みます。確かに安倍氏は強いです。でも相手は国家権力、初戦で勝てても先の見通しは明るくはない。永衡は安倍に付くといいますが、経清は止めます。「今回は頼義に付こう!結有も貴方の奥方もいつかはわかってくれる。家を潰しちゃいかんよ」と。

そして安倍側でも我慢に我慢を重ねた頼時がついに戦を決断しました。

「頼義は鬼だ!鬼になにやっても無駄だ!」

家臣たちを前に「自分の我侭を許してくれ」と土下座する姿に涙涙crying
付いて行くよ黄門様!あんたのために命捨てるよ!その場にいたらたぶん私そう言います絶対。
藤原説貞に旗を預けてしまった貞任の行動に「愚かであった」と言いつつも、

「愚かであったからとて見捨てることは出来ない。人がこの世にあるのは悉く妻子のためである。その心無くして民はまとめられない。子を見捨てた親に従う民はおるまい。自分の心をわかってくれ」

心にズシリと来ます。そんな頼時に対してかける家臣の言葉も素敵。

「親のために子は死にます。殿は我らにとって親、なんなりと御下知下され。」

感動した!感動したよ私は!なんていい話なんだ。

というわけでついに安倍VS源頼義の合戦が始まってしまいましたが、経清と永衡は頼義に付くことに決め、国府の多賀城に馳せ参じます。安倍の婿2人が国府側に付いたことで頼義はご満悦。早速2人には先陣を命じます。遅れてやってきた結有と菜香の2人を交え多賀城にて出陣の前祝をする経清と永衡。安倍とは敵味方になってしまい胸中は複雑です。「頼義は俺たちを信用していない。何度でも先陣に使い捨て駒にする気だ。」永衡は呻きます。なんとしてでも生き延びよう!と誓い合う2人。永衡の妻、菜香は「お父上が以前くれた銀の兜なら目立つから安部のものにも貴方に気付いて見過ごしてくれるかも」と永衡に兜を託し、無事を祈ります。

かくして合戦は始まりました。先陣を任された経清と永衡は安倍良照(頼時の弟)が守る川崎の柵に攻め込みます。2人とも奮戦し、経清は足を負傷したりしてそれなりに格好の付く形で戦いました。ところが、目付け役の頼義配下は永衡の兜の目立つことを頼義に報告。「永衡は油断できん。また裏切るかもしれない」ということで兜のことを理由にして永衡を殺してしまいます。永衡がだまし討ちにあったことを知った経清は激怒。

「俺は安倍に付く!」

ついに頼義を見限ることを決断。従者の1人、瀬田剛介(稲垣五郎じゃないほうね)が必死で止めるも河を越え、安倍の陣地に入るのでした。

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今回は里見浩太郎が素晴らしかった。子を思う心、民を思う心・・・いい頭領だよホントに。

あとショッキングだったのは殺された永衡の首を乙那が菜香のもとに届けるのですが、生首をがっつり映すんですよ。で、それ見た菜香と結有が恐れおののくという。正面からじゃなく、後頭部から映してましたがそれでもかなりエグイです。今だったら首の入った桶を覗いてそれを見た人の驚いた顔のアップくらいの処理でしょうが、90年代大河はまだまだ生首晒せます。大したものです。しかもその生首に菜香が抱き付いちゃったりするんです。すごいです。今じゃ考えられない演出ですね。

目立つよう銀の兜を付けたら、という提案が逆に夫を窮地に追い込んでしまった事に「女の浅はかさで・・・」と泣き崩れる菜香が良いです。思いついたことがなんでもかんでも上手くいくとは限りません。「女の道は一本道!」で全部片付く世の中じゃないのです。私も女なので女性が活躍する事はもちろん嬉しいですが、「中世は女性の力もかなりあった」という学説を曲解して、内と外をわきまえずに女性を活躍させようとする演出や脚本には疑問を感じます。男も女もそれぞれ出来る事と出来ない事があります。だからこそ各々の「役割」が違うのでしょう。その役割を超えて何かをしようとする時、簡単にはいかないこと、相当の覚悟を要する事を改めて認識させられるシーンでした。

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